AIは「学力下がる」甘い罠? 学力の二極化が進む時代、最新ツールの使い方で勉強ができる、できないの差がつくワケ

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これは東大生も同様で、インタビューでも「別に生成AIをすべて信用しているわけではなく、一部を活用して一部を自分や先生に頼むような使い方をしていた」と答える人が数多くいます。

AIに頼りすぎると「考えない脳」になる

しかし一方で、AIを使うことで逆に学力を下げてしまう生徒も存在します。

「AIが答えを出してくれるから」と、思考を放棄してしまうケースです。宿題をすべてAI任せにしたり、AIの答えをそのまま提出してしまったりする。あるいは、AIの出力を鵜呑みにして「本当に正しいか?」を検証しないまま進めてしまう。そうした生徒が少なくありません。

正直なところ、答えをコピペしたって頭は良くならないんです。どれだけAIが完璧な解答を出してくれたとしても、「なぜその答えになるのか」「どんな考え方をすればそこにたどり着けるのか」というプロセスを自分で理解しない限り、学力は身につきません。

一見“効率的”に見えるAIの利用も、考えることを省略してしまえば、結局は「わかったつもり」になってしまうだけなのです。

生成AIは確かに便利ですが、同時に「自分で考えなくなる危険性」もはらんでいます。AIが間違えることもありますし、そもそも思考のプロセスを経験しなければ、理解は深まりません。AIを使いこなすには、「AIの出した答えをどう検証するか」というメタ認知的な力が不可欠なのです。

結局のところ、ツールそのものに善し悪しはありません。重要なのは、「どう使うか」という使い方の部分です。

AIを使って自分の弱点を補い、より深い理解につなげる人もいれば、AIに依存して思考を止めてしまう人もいる。この差こそが、学力の二極化を加速させている要因だと感じます。

そもそも、勉強とは「頭を良くするために行うこと」です。生成AIから答えをコピペしたところで、頭は良くなりません。

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