AIは「学力下がる」甘い罠? 学力の二極化が進む時代、最新ツールの使い方で勉強ができる、できないの差がつくワケ
いま、学習の世界には便利なツールが次々と登場しています。英単語を覚えるための暗記アプリ、授業動画サービス、定着度を可視化できる学習管理アプリ……。数年前までは考えられなかったようなツールがたくさん登場していて、これらを使うことでかなり勉強が効率化されることがわかっています。
そんな中でも特に注目されているのが「生成AI」です。実際、今年の東京大学理科三類(理Ⅲ)合格者に行ったアンケートでは、半数以上(63.1%)が「生成AIを活用して勉強した」と回答しています。つまり、いわゆる“頭のいい人”たちは、すでにAIを積極的に勉強に取り入れ、自分の学習スタイルをアップデートしているということです。
添削はAIの得意分野に
生成AIの最もオーソドックスな使い方の一つが、「添削」です。小論文や英作文の添削は、これまで先生が一つひとつ丁寧に時間をかけて行ってきた分野でした。しかし、今やAIはその一部を代替できるようになっています。
たとえば英文法の誤りであれば、AIはほぼ正確に指摘することができます。小論文でも、「てにをは」や文法的な不自然さをかなりの精度で見抜けるようになりました。
もちろん、内容面や表現の深さという点では、ベテランの先生の添削にはまだ及ばない部分もあります。しかし、AIの出す指摘をたたき台として、自分で考え、先生のアドバイスを加えることで、学びの質を高めていくことは十分可能です。「AIだったら間違うこともあるじゃないか」という批判もありますが、そんなことを言ったら人間だって間違えることがあります。
また、興味深いのは、学校現場でも「AI活用型の添削」が進んでいるということです。実際、学校の先生や塾の先生とお話をしていると、「生徒の答案をまずAIに添削させて、そのうえで自分が最終確認をしている」と話していました。すべてAIを信じ切ってしまうのではなく、うまく業務分担をして対応する、つまりは“教師の負担を減らすパートナー”として使う動きが広がりつつあります。
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