なぜ東大生は計算が速い?「リニア(時速500km)は、 人間が歩くスピード(分速80m)の何倍速いか」を暗算で出す数字の思考法
数字に強い人はいきなり計算を始めません。なぜなら、これは単位が違うからです。スティーブ・ジョブズとイチロー選手はどちらがすごいかと言われても答えられないように、何かを比べる時には「共通の尺度」を導入しなくてはいけません。
ここでは速さという尺度が導入されていますが、よく見ればこれら「時速」と「分速」でバラバラになっている。これでは、正しい計算ができません。そこで、どちらか一方に統一してあげましょう。
単位を揃えて計算を楽にする
問題は分速と時速のどちらに揃えるべきか。どちらも同じじゃないかと思われるかもしれませんが、計算の難易度が大きく違ってきます。「分速➡時速」の場合は分速の数字を60倍してあげればOK。逆に、時速のほうは60で割らなくてはいけません。一見同じようですが、割り算を行うときはどうしても「割り切れるか否か」が重要になってきます。500÷60は、8.3333……と絶対に割り切れないので、どうも扱いにくい。ここでは、「分速80m」を「時速〇〇km」に変換してみましょう。
「分速80m」は「1分に80m進む」の意。1時間は60分ですから、「60分で何メートル進むの?(=分速を60倍する)」を考えれば時速になります。80×60を計算するわけですが、これをそのままやると桁が大きくて事故を起こしそう。そこで、80×60=8×10×6×10と分解しましょう。すると、掛け算は順序を入れ替えても答えが変わらないことを利用すれば、8×6×100に纏められます。8×6は48で、100倍するときは後ろに0を2つつければよいので、答えは4,800m。
ですが、ここで終わってはいけません。リニアは時速500“km”でしたが、徒歩は4,800“m”と単位が揃っていないからです。1,000mが1kmであることを考えれば、4800÷1000=4.8kmと求められ、ようやくここで徒歩の速さが「分速80m = 時速4.8km」と分かりました。
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