《元キーエンスNO.1営業マン》が明かす「部下を自発的に動かす方法」。"KPI"に基づいた指導が何よりも大切だ
対照的に、ファクトベースの指導なら、建設的な対話が生まれます。
たとえば、上司が「データを見ると、君の提案から成約までの転換率は15%。チーム平均は25%だ。この差はどこから来ていると思う?」と問いかければ、部下は「確かに低いですね。価格交渉で負けることが多いです」と具体的な課題を挙げられるはずです。
課題を認識できれば、さらに分析を深められます。
たとえば成約している案件を分析して、初回提案時に先方の予算確認ができている案件とできていない案件の成約率の違いなどもわかるはずです。
最初から予算が確認できている案件の成約率が高ければ、部下は「予算確認を後回しにしない」と自分の改善点に気づきます。上司も具体的な改善策を提示できますし、部下も前向きに行動を変えられます。
上司にとってのメリット:時間の効率化と成果の最大化
KPIベースの話し方は、部下だけでなく上司にとっても大きなメリットがあります。まず、無駄な時間を大幅に削減できます。
KPIに基づかない質問は部下から期待していない答えが返ってくることが少なくありません。
たとえば、「最近どう?」と聞いたところで、「えーと、まあまあです」という曖昧な返事が来ることもあるでしょう。
「何か困っていることは?」と続けても、「特には……あ、でもパソコンの調子が……」と本題から逸れて、10分後にようやく「で、営業成績の話なんだけど……」と切り出すような非効率な展開になりがちです。
一方、KPIベースならば最初から議題は絞られていますので効率的ですし、話がかみ合わない場合もありません。
「先月の商談化率が20%と低めだったけど、要因は分析できてる?」と単刀直入に聞けば、部下も「はい、実は……」とすぐに本題に入れます。
KPIを使うことで議論の論点が明確になります。話が脱線せず、具体的な改善策に集中でき、短時間で結論が出ます。次のアクションも明確になります。
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