《元キーエンスNO.1営業マン》が明かす「部下を自発的に動かす方法」。"KPI"に基づいた指導が何よりも大切だ
上司からKPIに基づいて話されると、部下は「この人はちゃんとわかっているな」「よく見てもらっているな」という印象を持ちます。
具体例を挙げて説明しましょう。
従来の指導方法では、上司が「最近、成績が良くないね。もっと頑張らないと」と声をかけたところで、部下は戸惑うばかりでした。「そうは言われても、何をどう頑張ればいいんだ……」と途方に暮れてしまっている場合が大半だったでしょう。
一方、KPIベースの指導方法ならば、そうした部下の戸惑いを避けられます。「先月の数字を見ると、受注は2件で目標に届かなかったね。データを分析すると、特にアポイント獲得率が12%と、チーム平均の18%を下回っている。これについてどう思う?」と上司から問いかけられれば、部下は何が問題かを把握できます。「確かにアポが取れていません。最近、断られることが多くて……」と具体的な課題を認識できます。
KPIベースの会話では、具体的な数値が示され、問題点が明確になり、部下も自分の課題を認識できるため、建設的な議論ができるようになります。
ファクトベースの納得度:感情論からの脱却
KPIベースの話し方の最大の利点は、ファクトに基づいているため、部下の納得度が高いことです。これは、現代のビジネスパーソン、特に若い世代にとって非常に重要な要素と言えるでしょう。
現代の20代、30代のビジネスパーソンは、論理的な説明を求め、「なぜ」を重視し、納得できないことはやりたくないという傾向があります。それはフェアな評価を求める裏返しでもあります。
このような世代に対して、「俺の若い頃は……」「気合いが足りない」といった精神論は反発を招き、モチベーションを下げる結果につながりかねません。
感情論ベースの指導では、上司が「お前はクロージングが下手だ。もっと自信を持って話せ」と言ったところで、部下は「自信って言われても……具体的に何を改善すればいいのだろう」と困惑するばかりです。
上司がさらに「昔はな、断られても、断られても通い続けたもんだ」と続けても、部下は「時代が違うでしょう……」と内心で反発するだけです。結果として、部下は納得せず、行動も変わりません。
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