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歴史上最大の陰謀論が人類を自滅させることに気づかないわれわれ、 2025年の陰謀論の「本当の怖さ」はどこにあるのか

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  • 小幡 績 慶応義塾大学大学院教授

INDEX

今年3月、財務省前でデモをする人々。「陰謀論」をどう捉えればいいのだろうか(撮影:梅谷秀司)

陰謀論について、最近はさまざまなことが語られるようになった。しかし、それらはすべて本質を外している。なぜなら、「陰謀論を信じることを批判的に語る人々」と、「陰謀論を信じている(と思われている)人々」の間には、根本的な違いがあるからだ。

実際は陰謀論を信じているのではなく楽しんでいるだけ

それは、前者が正しくて後者が間違っている、ということではない。180度逆で、前者が間違っていて、後者は正しいのだ。陰謀論を信じることを批判する人々は、致命的に間違っているのである。なぜなら、彼らが批判している人々、陰謀論を信じていると思われている人々は、陰謀論を信じているのではなく、陰謀論を語っているだけだからだ。

これは、陰謀論を確信犯的に広めている人々をさしているのではない。陰謀論が語られるのを聞いている人々、それを好んで聞いている人々のことを言っているのだ。彼らにとっては、陰謀論を受け入れているのは、信じているのではなく、楽しんでいるだけなのだ。「愉快犯」の「愉しむ」ではなく、「エンジョイ」の「楽しむ」なのだ。

ここで、陰謀論が正しいと信じているか否かは関係ない。関係ないというより、正確に言えば、信じるか否か、という問いをあえて避けているのだ。つまり、陰謀論とはファンタジーなのである。

陰謀論がファンタジーと類似している、という指摘は数多くある。しかし、それらの議論は、2つを混同してしまうのはなぜか、ファンタジーに似た力を持ってしまうのはなぜか、といった根本的な誤解をしている。

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