ホンダの燃料電池車は、何がスゴイのか

先行するトヨタ「ミライ」を上回る性能

当初は官公庁や企業にリース販売、個人への販売は早くても2017年以降を計画(撮影:風間仁一郎)

「環境性能はもちろん、運転する楽しさや使う喜びも持つ」

ホンダの八郷隆弘社長は新型燃料電池車(FCV)「クラリティ・フューエル・セル」を東京モーターショーで世界初披露した。2016年3月に日本で発売し、その後、米国や欧州にも展開する。

水素と酸素を反応させて生み出した電気を動力とするFCVの開発にホンダは1980年代後半に着手。2002年以降、リース販売モデルを出してきたが、量販型では2014年12月発売のトヨタの「ミライ」に先を越された。

実質価格は558万円

今回の新型車にはトヨタへの対抗意識が随所に垣間見える。ミライの一充填あたりの走行距離は650キロだが、ホンダの新型車は700キロ以上。また、FCVのパワートレインを出力を上げつつ小型化したことで、世界で初めてセダンのボンネット内に収めることができた。その分、キャビンに余裕ができ、ミライが4人乗りのところをクラリティは5人乗りを実現している。

価格面でも競合させている。クラリティは税込みで766万円。国の補助金が208万円出るので、実質的には558万円。ミライは723万6000円だが、実質的には約522万円。約40万円の差だ。クラリティの開発責任者を務める、本田技術研究所の清水潔・主任研究員は「ミライをベンチマークした上で、装備の差を分析して値付けした」と明かす。

先行するトヨタのミライは発売から1カ月で約1500台を受注した。ただ、組立はほぼ手作りのため、1日にわずか3台しか作ることができない。今年は年間700台、2016年には2000台、2017年には3000台まで生産を拡大する方針だ。

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