「学校で習った英単語」なのにリスニングできない…。英語が苦手な人がハマっている"落とし穴"
④「弱っちんぐ」(弱形)
英語は、重要な言葉を強くゆっくり発音し、それを引き立てるために添え物の言葉は弱く短く発音します。意味を持つ単語は強く、機能語(助動 詞・前置詞など)は弱く発音するのです。 canが「カン」ではなく「クン」あるいは「ケン」、さらに「ン」、toが「トゥ」ではなく「タ」に近くなるなど、文章のなかで弱く発音する「弱っちんぐ」状態になります。この強弱のメリハリが、英語の発音の要であり、内容の伝わりやすさをアップし、表現を豊かにする要素です。
⑤「消える魔球」(脱落)
発音しづらい音やスムーズに言いづらい個所の音が、まるごと消えてし まう現象です。I don’t know.が「アイ ドント ノウ」でなく「アイ ダ ノウ」 のように聞こえるのは、「t」が「消える魔球」のように脱落するからです。しっかり学んでいる方ほど「どうしても聞き取れない」とショックを受けるかもしれませんが、実は「そもそも発音していない」というわけです。 以上が音声変化の5つのルールです。
音声変化というレンズを通してわかること
本記事の最初に取り上げた「Better to get it out of the way」というフレーズも「ラリり放題」の音声変化が起きています。
Better toはベララ、get itはゲリッ、out ofアウラヴのように変化。さらにitのtとつながって、「ベララ ゲリダウラ ウェイ」となるのです。
「Did you get a lot of water while you were out?」も同様です。
Did youがディジャ、get a lot of waterがゲララロワラー、while you were outは脱力するようにワイルヤワラウと、たたみかけるようなリズムになります。全体では、「ディジャ ゲララロ ワラー ワイル ヤ ワラウ?」となります。
このようにして音声変化というレンズを通して見てみると、英語の音が 「早くてよくわからない」「音が飛んでる気がする」と感じる理由が、一つひとつ、見えてくるのではないでしょうか。
複雑に聞こえる英語の音も、これらたった5つの基本的なルールに分解して考えることで、その構造が明確になり、「なるほど、こう変化していたのか!」と納得できるようになります。
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