「学校で習った英単語」なのにリスニングできない…。英語が苦手な人がハマっている"落とし穴"

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④「弱っちんぐ」(弱形)
英語は、重要な言葉を強くゆっくり発音し、それを引き立てるために添え物の言葉は弱く短く発音します。意味を持つ単語は強く、機能語(助動 詞・前置詞など)は弱く発音するのです。 canが「カン」ではなく「クン」あるいは「ケン」、さらに「ン」、toが「トゥ」ではなく「タ」に近くなるなど、文章のなかで弱く発音する「弱っちんぐ」状態になります。この強弱のメリハリが、英語の発音の要であり、内容の伝わりやすさをアップし、表現を豊かにする要素です。

⑤「消える魔球」(脱落)
発音しづらい音やスムーズに言いづらい個所の音が、まるごと消えてし まう現象です。I don’t know.が「アイ ドント ノウ」でなく「アイ ダ ノウ」 のように聞こえるのは、「t」が「消える魔球」のように脱落するからです。しっかり学んでいる方ほど「どうしても聞き取れない」とショックを受けるかもしれませんが、実は「そもそも発音していない」というわけです。 以上が音声変化の5つのルールです。

音声変化というレンズを通してわかること

本記事の最初に取り上げた「Better to get it out of the way」というフレーズも「ラリり放題」の音声変化が起きています。

Better toはベララ、get itはゲリッ、out ofアウラヴのように変化。さらにitのtとつながって、「ベララ ゲリダウラ ウェイ」となるのです。

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「Did you get a lot of water while you were out?」も同様です。

Did youがディジャ、get a lot of waterがゲララロワラー、while you were outは脱力するようにワイルヤワラウと、たたみかけるようなリズムになります。全体では、「ディジャ ゲララロ ワラー ワイル ヤ ワラウ?」となります。

このようにして音声変化というレンズを通して見てみると、英語の音が 「早くてよくわからない」「音が飛んでる気がする」と感じる理由が、一つひとつ、見えてくるのではないでしょうか。

複雑に聞こえる英語の音も、これらたった5つの基本的なルールに分解して考えることで、その構造が明確になり、「なるほど、こう変化していたのか!」と納得できるようになります。

伴 ブリュワー 摩里

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1968年生まれ、東京都出身。東京大学経済学部卒業。TEFL(英語教授法)資格取得。外資系金融機関三社(クレディ・スイス、リーマン・ブラザーズ、BNPパリバ) で22年のキャリアを積んだ後、現在はセミリタイア。 学生時代、コンパニオンのアルバイトで英語対応に抜擢されるも、外国人ビジネスパーソンを前に言葉を失った「しどろもどろのフリーズ体験」が英語の原点。その後、外資系金融のトレーディング部で、多国籍の同僚が飛び交わす怒号の中、実践的かつ現場で即応できる英語コミュニケーション術を習得。転職後、CEOから新入社員までを対象に、英語でコンプライアンス研修を行うという任務を託され、欧米エグゼクティブ水準のプレゼンテーション技法を習得。これまで数千名規模の外国人社員に研修を行い、アジアの本部である香港オフィスからの異例の招聘も受ける。さらにスピーチ研修のToastmasters Sessionにおいて、ネイティブスピーカーを抑えて優勝。現在はアメリカ人エンジニアの夫とともに、シリコンバレーと東京を往来する二拠点生活。

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