あなたの脳がどんどん"退化"するAIのダメな使い方 脳科学者・茂木健一郎さんが語る"AIの今"

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
パソコンを使いながら悩む人物
「AIに丸投げして脳がどんどん退化する人」と「AIを活用してさらなる付加価値を生み出す人」の二極化が進んでいきます(写真:trickster*/PIXTA)
この記事の画像を見る(2枚)
「日本はAI(人工知能)分野において、研究者の数も予算も世界から周回遅れ」と指摘するのは、AIと脳科学の最先端研究に接する脳科学者の茂木健一郎さんです。
それでも、国、会社、学校、社会……すべてのシステムが圧倒的な変化を余儀なくされていきます。対応できなければ取り残される時代。逆に言えば一歩抜け出すことができれば、成功の可能性は飛躍的に高まる――。『AIで覚醒する脳』を一部抜粋し再構成のうえAIの今についてお届けします。
※肩書きなどは書籍執筆時点

AIで退化する人、進化する人

AIを使うことで、人は徹底的にサボることもできるし、逆に自分を鍛え上げて覚醒させることもできます。

わかりやすい例として挙げたいのが将棋の世界です。

日本でいち早くAIを取り込んだといっても過言ではないのが将棋の世界ですが、その先頭を走っているのが藤井聡太さんです。

藤井さんは自分を鍛えるためにAIを日常的に使っているそうで、主に序盤戦の研究であったり、自身の将棋の振り返りに使うことが多いそうです。

将棋において序盤戦を徹底的に調べ上げていく作業は途方もない労力が必要になりますが、少しでもいい将棋を指すためには欠かせない作業だと言えますし、振り返りにしても藤井さん自身が将棋を客観的に評価するための重要なプロセスです。この作業はAIがなかった時代に比べるとはるかに効率的になっているのでしょう。

I(ChatGPT など)を仕事で使うことが良いことだという理由と悪いことだという理由
(出所:『AIで覚醒する脳』)

一方で、相手との対局をAIに任せきりにして、何も考えなくなったら、当然ですが脳は退化していく。そこがAIを使う大きな分かれ道だと言えます。

上記画像は、AI(ChatGPTなど)を仕事で使うことが良いことだという理由と悪いことだという理由を各年代別で示した興味深いデータです。

私が特に注目したのは、悪いことだという理由に、「仕事をさぼる人が出てくるかもしれないから使ってはいけない」という意見が半数近くあったことです。

次ページAIに丸投げして脳が退化する人しない人の違い
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事