2位には「ダンロップ」「ファルケン」ブランドを擁し、タイヤ国内2位の住友ゴム工業(5110)がランクインした。2025年12月期は前期に発生した北米工場閉鎖に関する694億円の損失がなくなることで、営業益が前期比7.5倍の840億円と急回復する見通し。純利益も同4.5倍の450億円と大幅に増え、配当も12円増の70円配を見込んでいる。
当社も前期の一過性の要因がなくなることで利益が反発する構図だが、製品の販売数に占める高機能品の販売が増えて採算性が向上するほか、下期に原料高も落ち着く。今後もコスト低減を進めることで事業面の実力を引き上げる取り組みを進めていることにも注目したい。
3位には金、銅、ニッケルを手がける非鉄金属の大手で電子材料も手がける住友金属鉱山(5713)が入った。前2025年3月期は減損損失1100億円超が痛手となり、153億6400万円の営業赤字に。最終損益こそ黒字を確保したものの71.9%減の164億8700万円だった。
対して2026年3月期は前期の減損損失が大幅に減る見通しで、純利益は3.7倍の610億円に急回復。配当も前期から27円増の131円を予定する。
事業は製錬で銅の取引条件悪化とニッケルの価格低迷が続くが、電子部品向けで生成AIが伸びる。
需要拡大が続くクラウド関連も上位に
続いて4位の京セラ(6971)の2026年3月期は半導体パッケージで構造改革効果が大きいほか、データセンター需要で高付加価値基板も成長し、利益水準が急反発。5位でクラウドインテグレーターの日本ビジネスシステムズ(5036)は2025年9月期にクラウド導入が好調なことに加えて前期に大きかった減損損失が大幅に減るなど、さまざまな背景で純利益を大きく伸ばす企業がそろった。
『会社四季報プロ500』2025年秋号では、「純利益増加率」について100位まで掲載しているのに加えて、本業の儲けを示す営業利益の増加に勢いがある企業の「営業増益率」、株主から調達した資金で効率的に利益を上げている「高ROE」、配当利回りに妙味がある企業群の「高利回り」などのランキングも掲載している。ランキングをきっかけに各銘柄のページで有望度を確かめるなどして、お宝銘柄の発掘に役立ててほしい。
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