"睡眠の質"を上げるには≪夫婦の寝室は別≫が理想…専門医が教える「正しい眠り」の新常識とは

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また、就寝時にヒーリング音楽を聴くと心地よく眠れるような気がするものですが、場合によっては睡眠の妨げになることもあります。アメリカのベイラー大学の実験では、音楽を聴きながら眠りについた人は、就寝中は音楽をオフにしていたにもかかわらず睡眠の質が54%も低下していたことを報告しています。

とはいえ、どの音楽も入眠にまったく効果がないわけではなく、自分が慣れ親しんだ曲をかけて安心した環境でリラックスできれば少なくとも眠くなる効果は得られます。ベッドに入ってからは入眠及び深睡眠を妨げる可能性が高いのですが、ベッドでなく入浴後のリラックスタイムに音楽を聴くことはリラックスできて入眠を助けてくれます。

ただし、睡眠カウンセラーなど民間資格を名乗る療法家が「睡眠のためのα波音楽」というものをすすめているのを散見しますが、α波自体に睡眠を誘発する作用もなければ、脳波上のα波が睡眠へ導くものでもないので、むしろ自分が聴きなれた曲がベストです。

さらに、人の身体には朝日で目覚めて日中に行動し、日が沈んだ後は休んで、真っ暗な夜に寝るという本能が組み込まれています。電気が発明されるまでの長い間、人はほぼ真っ暗な中で寝ていたのです。

現代は夜になっても照明やテレビ、スマホなどの光にさらされていますが、熟睡するためには、寝る前は光を浴びないようにしましょう。特に、蛍光灯の白色の光は自律神経の緊張を高めるので、夜の寝つきが悪くなります。

海外の研究では、豆電球程度のわずかな明るさでもメラトニンの分泌に影響を与えて、睡眠の質を低下させるという報告もあります。

睡眠中は、目を閉じていても、まぶたを通して光を感知しているので、常夜灯や光を発する電化製品などは消したほうがぐっすり眠れます。真っ暗だと緊張して眠れない場合は、人影がわかる程度の明るさのフットライトをつけるといいでしょう。

快眠姿勢は「仰向け寝」より「右横向き寝」がおすすめ

女性も更年期を過ぎると女性ホルモンが減少することで舌や喉周りの筋肉が弛緩し、睡眠時に舌が気道をふさぐことでいびきが出やすくなります。特に仰向きの姿勢では舌が気道に落ち込みやすいため、睡眠中に気道を確保するうえで、横向きの姿勢がおすすめです。

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