"睡眠の質"を上げるには≪夫婦の寝室は別≫が理想…専門医が教える「正しい眠り」の新常識とは
これでは睡眠中に脳がクールダウンできず、疲れがなかなか回復しないので、夏バテの原因になります。実際、25℃以上の寝室温度では、中途覚醒が増えることがわかっています。そこで、就寝中は、夏の場合、室温は25℃以下に保ち、身体が寒くないよう冬用布団を掛けて厚着のパジャマを着用するのが理想的です。
そこで私がおすすめしているのがリカバリーウェアです。
リカバリーウェアは、遠赤外線などの保温効果のあるウェアで、睡眠中の身体を温めることで血行をよくし、睡眠の質を高める効果が期待できます。25℃以下の脳の快適室温をキープした部屋でも寒さを感じにくくなり、脳にとっての快適温度と身体にとっての快適温度の乖離を最小限にして脳の疲労回復を促します。
身体を締めつけないゆとりがあるデザインで、発汗による体温調節もしやすい工夫がされているリカバリーウェアは、冷え性でエアコンが苦手な人には、冬だけでなく夏の寝間着としてもおすすめです。
夏に、冬の間に着ていた使い古しの伸びきった吸湿発熱素材のインナーシャツ(たとえばヒートテック)があれば、引っ張り出してきて寝間着にするのも一案です。
就寝中は「頭寒足熱」という言葉の通り、頭部は涼しく、身体、特に下半身を温めることがポイントです。熟睡するためには脳を冷やす必要があるので、室温25℃でも寒くない寝間着と掛け布団を使いましょう。
パートナーとはベッドを別にするほうが快眠できる
男性と女性では快適温度が平均して約1℃異なるため、男女が同じ部屋で眠ると男性には暑くて熟睡が難しくなります。このため、睡眠の質を重視するなら、夫婦は別々の寝室で寝るのが理想的です。
難しい場合は、寝室をカーテンなどで仕切って、男性はエアコンの近く、女性はエアコンの風が当たらないほうで寝るなどして、お互いの快適温度で眠れるように工夫してみるといいでしょう。
一方で、男性は1人で寝るほうが熟睡でき、女性はパートナーと一緒に寝るほうが熟睡できるという研究結果もあります。
オーストリア・ウィーン大学の調査によると、男性は、妻と同じベッドで眠ると翌日の脳の働きが低下するということが判明し、女性はパートナーと一緒に寝ると、1人で寝るときよりも深く眠れるという結果になりました。
理由ははっきりとは解明されていませんが、女性は男性に守られている安心感で深く眠り、男性は本能的に女性を守るための警戒心から熟睡できないのではないかと推察されています。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら