26年廃線?地元が困惑する「富山地鉄」の経営問題 広がる反発、鉄路を存続するために必要なのは何か
富山地鉄は県内最大の交通機関で、鉄道線はJR富山駅の隣にある電鉄富山駅を中心に立山・電鉄魚津・宇奈月温泉などに続く計93.2kmの鉄道線を持つ。県内各地を結ぶバス路線、そして富山市内で軌道線も運営している。
同社が、「鉄道事業の現状や課題」について、沿線市町村の担当課長に説明したのは2024年2月のことである。同年9月に初めて沿線7市町村の首長会議が開催され、11月から検討会が始まった。2025年4月から分科会での議論も始まる。
一方、富山地鉄は、協議の席で、沿線市町村に2025年度で5億円の財政支援を求めていた。
自治体サイドは当惑する。議論の緒についたばかりなのに、税金で巨額の欠損補助ができるわけもない。赤字の原因も、将来の経営改善の見通しも示されていない。
県と7市町村は燃料費や資材費の高騰を軽減するとの名目で2億円の補助を決めるが、富山地鉄は納得しなかった。2025年2月の会議で以下の報告を行った。
自治体から十分な支援を受けられなければ、不採算区間を軸に廃線を検討すると主張した。
鉄道事業の大赤字の原因となったのは
さらに、同社の中田邦彦社長は5月の決算記者会見で「7億円近い赤字が出ているのは異常だ」と述べ、6月の取締役会で、本線滑川―新魚津間と、立山線岩峅寺―立山間について、行政から必要な支援を得られなければ今年秋で廃止の判断をすると決定した。9月の協議会では、新魚津―宇奈月温泉間も廃止を基本として沿線と協議すると説明している。12月末が存廃を判断する期限だという。鉄道事業を廃止するには、廃止日の1年前までに廃止届を出さないといけないルールとなっている。
では、富山地鉄の経営状況はどんなものなのだろうか。
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