鉄道混雑率、かつての「ワースト路線」の現状は? 東西線など首都圏主要路線、コロナ前と比較
以前は東京メトロ東西線やJR横須賀線、東急田園都市線など、首都圏以外の人でも一度は聞いたことのある路線名が「ワースト上位」に名を連ねていた鉄道の混雑度ランキング。コロナ禍以降、その顔ぶれは大きく変わった。
東西線は乗客1万6000人減
テレワークの浸透などによって大都市主要路線の通勤客が減った結果、上位には輸送力が小さく、多少の利用者数の増減が混雑率に大きく反映される地方路線や車両の小さい新交通システムなどが顔を出す結果に。2023年度の1位は東京都営の新交通システム、日暮里・舎人ライナー、2位は路面電車タイプの車両が走る広島電鉄宮島線だった。
ただ、ワースト上位からは姿を消したとはいえ、首都圏の主要通勤路線の混雑は再び増してきている。かつての「超満員」路線はどのように変化しているのだろうか。
国土交通省が毎年公表している都市鉄道の混雑率データを集計すると、コロナ禍前の2019年度、ワースト1位だったのは東京メトロ東西線の木場→門前仲町間で199%。電車の編成両数と運転本数から算出される1時間当たりの輸送力、つまりキャパシティは10両編成の電車が1時間に27本=約3万8400人分だったのに対し、輸送人員はほぼ倍の7万6388人に達していた。
一方、2023年度の同線の混雑率は148%で、輸送人員は5万9940人。この数年で回復傾向にはあるものの、4年前と比較すれば2割以上、約1万6000人減っている。単純計算すれば、10両編成当たり約600人の乗客が消えたことになる。
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