中国人留学生が《日本の美術大学》を選ぶ背景。学生や予備校関係者に「リアル」を聞いてみた!見えてきた「中国人美大生」の新たな潮流とは?

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こうした狭い世界に閉じこもりがちなところは、日本人の若者との共通点なんじゃないかと感じる。

卒業後の進路、広告代理店の他には?

京都芸術大学
京都芸術大学SPURT展の講評会(提供:京都芸術大学 大学院オフィス)

留学生たちの卒業後の進路は多様だ。

学部から大学院に進学する人が多く、そのほかは日本で就職する人、中国に戻る人がおよそ半々。日本での就職先は、デザイン事務所や広告代理店、中国メーカーの日本支社など幅広い。

日本に残りたいと考える学生のなかには、親から離れたいと考えるパターンも一定数あるのだという。中国といえば教育熱心な親が多く、家族のつながりも強い。子どもにとって心強いサポーターである反面、プレッシャーに感じることもあるのだろう。親から帰国を迫られても拒む例も多いようで、日本に残る彼らの間には独特の連帯感が生まれているようだ。

マリさんやサエさんの声からは、経済合理性だけでは割り切れない、若者たちの憧れや迷い、親世代の思惑が浮かび上がる。個性と自由を求める中国の若者にとって、日本は自由で安全な “エスケープゾーン” なのかもしれない。

沓名 美和 現代美術史家、キュレーター、ディレクター

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くつな みわ / Miwa Kutsuna

京都芸術大学芸術研究科客員教授、多摩美術大学客員教授、広島大学客員教授、一般社団法人Open Art Lab代表理事、REBIRTH ASIA 代表、ボアオ文化産業フォーラム日本理事。 多摩美術大学、韓国弘益大学大学院卒業。中国清華大学にて博士号取得。

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