中国人留学生が《日本の美術大学》を選ぶ背景。学生や予備校関係者に「リアル」を聞いてみた!見えてきた「中国人美大生」の新たな潮流とは?

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「高田馬場だけで中国人向けの美大受験予備校は15校以上あると思います。東京全体では30校を超えるといわれていて、規模の大きな学校では100人以上の中国人学生を抱えています。国際高中と呼ばれる、国際教育に注力する中国の高校のなかには、こうした予備校と連携して “日本留学クラス” を設けているケースもあります」

彼女が率いる予備校は中国国内に3校、高田馬場に1校あり、全校で200人以上の生徒が在籍している。その全員が日本で「美大進学」を目指す若者だ。

日本の美大が選ばれる理由

予備校画塾
京都芸術大学PURT展の講評会(提供:京都芸術大学 大学院オフィス)

中国国内にも名門美大はある。北京の中央美術学院、浙江省の中国美術学院などが知られるが、そもそも中国の人口に対して美大の数は少なく、競争率は桁違いに高い。さらに受験は実技に加えて学科6科目。いくら実技に長けていても、学科が苦手な生徒はふるい落とされる仕組みだ。

これに対して日本の美大は、学科試験は国語と英語の2科目が主流。実技試験や面接を重視し、本人の人間性やスキルを評価する傾向にある。

マリさん自身、「武蔵美の受験では絵そのものが評価され、さらに面接で自分の想いを教授に伝えられたのが素晴らしかった」と振り返る。

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