「政治の不透明感は株価を下げる」というジンクスもあるが…データでわかった「自民党総裁選」前後の株価の行方

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自民党総裁選をイベントとして見た株価のジンクスでも今回の足元にかけての株高は整合します。

そして総裁選後の株価推移も堅調でした。総裁選から1カ月後までの日経平均株価も6割以上の確率で上昇していました。総裁選後は新政権の政策の具体化に向けた期待から株価は上昇する傾向が見られるようです。

総裁選から1カ月が経過すると…

ただ、ちょっと気になるデータもあるので紹介します。総裁選から3カ月後までの日経平均株価を見てみると、上昇確率は6割を割り込みました(57%)。少なくとも5割を上回っており上昇確率のほうが大きいことから、そこまで弱気のスタンスになる必要もないですが留意が必要です。

総裁選から1カ月が経過すると、それまで高まった期待に対して本当に政策が具体的に実現できるのか、など政策運営に対する評価の段階に入っていきます。

総裁選から1カ月経って政策運営が“期待外れ”となれば、失望感から株価上がり難くなる傾向が示されています。

そこで今回の10月4日に向けた投資戦略を株価ジンクスから考えてみましょう。当面は積極的な投資スタンスで臨むのがいいでしょう。そして総裁選から1カ月後の11月上旬にかけて、新政権の政策運営を見極めつつ、期待が持てるようなら、その後も積極的なスタンスを持続するのが効果的な戦略になると見られます。

吉野 貴晶 マネックス証券チーフ・マーケット・アナリスト 兼 マネックス・ユニバーシティ 投資工学研究学長

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よしの たかあき / Takaaki Yoshino

金融情報誌「日経ヴェリタス」アナリストランキングのクオンツ部門で、記録的となる16年連続で1位を獲得した後、国内系運用会社で投資工学開発センター長を経て、現職。社会人として歩みを始めて以来、一貫してクオンツ計量分析、データサイエンス、AI(人工知能)を活用した証券市場の分析に携わる。大学共同利用機関法人 統計数理研究所のリスク解析戦略研究センターで客員教授を兼任。青山学院大学大学院国際マネジメント研究科(青山ビジネススクール)にて客員教授、学術フロンティア・センター特別研究員。経営戦略、企業評価とポートフォリオマネジメントの授業の教鞭も取る。博士(システムズ・マネジメント)。日本ファイナンス学会理事、日本金融・証券計量・工学学会(JAFEE)理事。2025年9月より現職。

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