悩める資生堂の賭け 禁断の化粧品ネット販売を開始 

拡大
縮小

 専門店にとって最後の砦だった資生堂がネット販売を始めるとなれば、反発も少なくない。が、利用客が高齢化する中、専門店の経営も年々厳しくなり、その数も減っている(図)。生き残るにはカウンセリングになじみのない若年層の取り込みが急務。「この先5年、10年と商売を続けるなら、ネットに対して『わからないからやらない』というスタンスではダメ」と、全国化粧品小売協同組合連合会の中神美郎理事長は加入する化粧品専門店にネット展開の必要性を訴える。「ワタシプラス」の店舗の検索機能についても「店頭カウンセリングでしかできないことがある。それをわかってもらうために参加しない手はないだろう」と話す。

ようやく始まった資生堂のウェブ戦略だが、「本当にこのやり方でいいのか、疑問が残る」(化粧品業界アナリスト)と、厳しい見方もある。

たとえば「ビューティー・アンド・コー」では、利用者が情報を得られるのは現行の資生堂製品についてのみ。化粧品情報・販売サイトで先行する「アットコスメ」の約2万3000ブランド、20万商品と比べると大きく見劣りする。しかも、「口コミ」というメーカー主導ではない評価軸が一般的になりつつある中で、資生堂主体の情報サイトがどれだけ受け入れられるか未知数だ。

次ページ秘策を用意
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT