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「ニセコのバブル崩壊」が象徴、「世界に誇るすばらしい日本」の消失があらゆる場所で起きている

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  • 小幡 績 慶応義塾大学大学院教授
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競馬である。

JRA(日本中央競馬会)は9月3日、2026年度の調教師免許試験及び騎手免許試験の申請者数が、調教師試験118人、騎手免許試験9人(JRA競馬学校生徒は0人)であったことを発表した。これはJRA最大の問題を表している。

「世界一の興行主体」JRAの閉鎖性は大きな問題

「JRA競馬」は世界一の競馬興行であり、世界一の馬券売り上げ、それに基づく世界一のレース賞金水準、各種手当の充実、その結果として世界一のサラブレット生産国にもなった。

レース、馬券、生産のすべてにおいて世界一なのである。さらにオーストラリアを除き、競馬に対する社会許容度は世界一にもなっている。日本の競馬のジョッキー(騎手)は、ほかのスポーツ選手と同じようにスター(競馬ファンだけでなく一般市民の間でも)であるが、世界では日本だけの現象であろう。だから、このJRAが成功体験に縛られているのはやむをえない面もあるが、抜本的な制度改革、その根底にある根本的な思想改革(革命)が必要であることも同時に事実である。

JRAほど、閉鎖的な組織はない。調教師は完全免許制であり、それはJRAのさじ加減ですべて決まってしまう。世界最難関の免許試験と言っても過言ではない。騎手も同様であり、多くはJRAの競馬学校出身者で占められている。

彼らは主に中学卒業後すぐに競馬学校に入り、JRAしか知らずに社会人になる。調教師は、かつてはほとんどがトレーニングセンター内の住居を中心に過ごしていた。

一方、騎手たちには「調整ルーム制度」があり、金曜日から土日と社会から完全に隔絶された世界で呼吸することを強いられる。昨今、スマホの使用でこのルールに抵触し、さまざまな問題が起きている。この厳しい制度、閉鎖性の維持は、八百長防止というのが、建前としても本音としてもほとんどの理由であった。しかし、さすがにこれはいまや転換をしなければいけないのではないか。

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