老舗中小証券会社の苦境、相次ぐ廃業・撤退 東証の合併上場を契機に加速も

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前述の十字屋証券も08年、営業部門を売却。ディーリング事業も縮小し、投資顧問会社への転換へと手を打ってきた。安社長は「証券仲介業の限界を感じたのが06年。翌年には営業譲渡しようと考えた。その後の市況低迷を思えば、あのタイミングしかなかった」と振り返る。

ただ、こうした“攻め”の経営は一部だ。不採算の営業部門を抱えたまま赤字を続け、「相場が上向けば、ディーリング事業で稼ぎ黒字化できる」(中小証券社長)と、市況好転に希望を託す経営者もいる。

今後、中小証券が廃業の契機になりそうなのが、東証の上場だ。中小証券の多くは東証の株主。東証は大阪証券取引所と合併後の上場を目指しており、上場株の売却益は廃業の原資となる。ただし廃業には顧客の同意が必要で「譲渡先がなければ、廃業したくてもできない」(業界関係者)との指摘もある。長いトンネルをどう抜けるか、証券不況の出口はまだ見えない。

(許斐健太 撮影:梅谷秀司 =週刊東洋経済2012年4月21日号)

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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