「婚姻届を出しては離婚」「夫の実家からは一時"出入り禁止"に」事実婚歴"33年目"の夫婦に聞いた正直な感想

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「結婚したのは、1991年に初めて『選択的夫婦別姓』導入を盛り込んだ民法改正試案が提示された翌年だったんです。新聞やテレビ、私の周りでも『夫婦別姓』に関する話題が盛んでした。

私自身、夫婦別姓にしたほうが男女の関係がより対等、平等になると感じていたので、『法律婚では夫婦別姓にできないから入籍はしないでおこう』と言いました。ただ、自分の中ではあくまでも“結婚する”という認識でした。結婚指輪も買いましたから」

石川さんは「『あれ、変えなくていいんだ』と思った」と当時の心境を語る。

「当時、私は28歳で、『石川彩子』という個が確立していたので、途中から『山田さん』になることに違和感がありました。

それに名字を変える手続きは大変です。昔の女性は銀行口座を持つことがなかったし、運転免許も滅多に持っていなかったので、氏名変更の届出の必要があまりなかったのかもしれません。今の時代はそういうわけにはいかないので、夫婦別姓は大歓迎でした」

また、「法学部の大学教員や学生たちは、様々な形で“夫婦別姓”を選択する人たちが多かった」と石川さんが話す通り、お二人にとっては自然な選択だったようだ。

夫の実家は、一時“出入り禁止”に

“夫婦別姓”にするために事実婚をすることに、石川さんの両親は反対しなかった。

「父は“二人で決めたことならいい”と受け止めてくれました。母は、“父が決めたことには口は出さない”という感じでしたね」

一方で、「うちの両親はめちゃくちゃ怒ったんですよ」と山田さん。怒りの理由は事実婚そのものというより、「結婚式を挙げなかったこと」だった。

「父は激怒し、母は“式に出るために、留袖を作っていたのに”と落胆していました。そのため最初の頃は出入り禁止状態でした」

しかし、間もなくして長女を授かったことで、山田さんの両親の態度は一変した。

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