VWの乗用車トップ、「電動化シフト」を強調 ディーゼル車の日本投入を延期
[東京 28日 ロイター] - 独フォルクスワーゲン(VW)の乗用車部門の取締役会会長、ヘルベルト・ディース氏は28日、東京モーターショーでの会見で、ディーゼル車の不正問題を謝罪。これまでディーゼル重視だったが、電動車両を強化する方針をあらためて表明した。VW日本法人はまた、日本市場へのディーゼル車投入を予定通り行うが、発売時期の延期を決めた。
ディース氏は電気自動車(EV)やプラグイン・ハイブリッド車(PHV)などの「電動車両は今後より魅力的になる」と説明。先日発表した年間10億ユーロの投資削減計画に関連し、その原資は組織の見直しなどで捻出するとの意向も示した。
一方、今後も中国でのVWの強いポジションを維持していくよう努める、と語った。経済減速が懸念される中国の自動車市場については「成長ペースは減速しているが、ピークには達していない」とし、今後も「需要は都市部から地方へシフトしていく」との見通しを述べた。
VWのブースにはひときわ多くの報道陣が集まった。モーターショー直前まで誰が本社から来日し会見するのか決まらず、登壇者は知らされていなかった。会見に来て初めてディース氏だと知った記者もいた。同氏は会見終了後、30分以上も報道陣による囲み取材に応じた。日独米メディアをはじめ、欧州、インド、オーストラリアなどの記者が大勢詰めかけ、ドイツ語と英語が飛び交った。
<日本へのディーゼル車投入は来夏以降>
VW日本法人のスヴェン・シュタイン社長は、日本市場へのディーゼル車の「投入時期を見直す」と述べ、発売を延期することを明らかにした。来年初めに中型セダン「パサート」でディーゼル車を追加する予定だったが、来夏以降に先送りする。VWは現在、日本でディーゼル車を販売していない。
予定していた新型車のディーゼルエンジンは規制を満たしており、不正が発覚したものとは異なるが、状況を考慮した。今回の東京モーターショーでは当初、日本市場に投入するディーゼル車を出展する予定だったが、不正問題発覚を受けて取り止めた。
(白木真紀、田実直美)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら