日産・ルノー連合が「一体化」を目指す理由

"目の上のたんこぶ"に対抗

ゴーン社長はフランス政府の関与について「日産・ルノーの提携効果が失われる」リスクととらえる

フランスの自動車大手ルノーが日産自動車との資本関係を見直す方向で検討していることが明らかになった。「国益」を理由に、日産・ルノー連合の経営への関与を強めるフランス政府に対抗する動きとして、注目が集まっている。

ルノーの筆頭株主はフランス政府で、日産は15%を出資する第2位株主である。フランス商法の制限で、日産はルノーの議決権を持たない。従来、日産とルノー、フランス政府の三者の資本関係は、微妙なバランスで成り立ってきた。が、株式を2年以上保有する株主に倍の議決権を与える「フロランジュ法」が、フランスで2014年に成立。2016年4月からフランス政府の議決権は約28%に拡大する。

これに対し、ルノーは10月6~7日の取締役会で、ルノーによる日産への出資比率を43.4%から40%未満に下げる一方、日産の持つルノー株に議決権を与えることを検討したとみられる。そうすれば、ルノーへの介入を強めるフランス政府を、日産も議決権で牽制できる。しかし、具体的な結論は出なかったようだ。

フランス政府は雇用を優先

両社のCEO(最高経営責任者)を兼ねるカルロス・ゴーン日産社長はフランス政府の議決権拡大について、「日産が事業の方向性を見失うこと、提携効果が失われること」の二つのリスクを挙げた。日産・ルノー連合にとってフランス政府は、今や"目の上のたんこぶ"である。

たとえば日産は欧州向け小型車「マイクラ(日本名:マーチ)」の生産を、2016年に日産とルノーが共同運営するインド工場からルノーのフランス工場へ移管する予定。この動きに複数の関係者は「国内雇用維持を優先したいフランス政府の圧力があったのでは」と指摘する。

ルノーはフランス国内に6組立工場、年90万台の生産能力を持つが、2014年の生産は53万台で稼働率は6割に満たない。

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