スズキ、軽の王者が抱える内なる課題

ハイブリッド車の投入が起爆剤となるか

社長就任後、初めての新車発表会に臨んだ鈴木俊宏社長(撮影:尾形文繁)

カリスマの親父から社長のバトンを引き継ぎ、鈴木俊宏新社長が臨んだ初の新車発表会は、スズキの看板である軽自動車ではなかった。それは単なる偶然だが、ある意味で象徴的だともいえる。

「社長に就任してから初めての新車発表会です。どうぞよろしくお願いします」ーー。8月26日、全面刷新した小型ワゴン「ソリオ」の発表会で、トップ交代から2カ月足らずの俊宏社長は、いくぶん緊張した面持ちでマイクを握っていた。

ソリオは登録車の中でもっとも小さい「Aクラス」と呼ばれるカテゴリーに属する。両側スライドドアを持つ5人乗りの小型ワゴンという特徴が人気で、2014年度は3.3万台を販売しており、新車販売ランキングでは24位に入った。

 登録車で初のハイブリッド搭載

新モデルで最大の特徴は、スズキの登録車として初となるハイブリッドの搭載だ(燃費はガソリン1リットル当たり27.8キロメートル)。俊宏社長は「マイルドハイブリッドやデュアルカメラブレーキサポートなどの安全装備を盛りこんだ自信作。小型車販売を早期に10万台にしたい」と力を込めた。

マイルドハイブリッドとは、モーターをエンジンのアシストのみに使う方式で、スズキはこれまで軽で「Sエネチャージ」という名称で展開してきた。ほかのメーカーでは、日産自動車が「セレナ」で「Sハイブリッド」という名称で搭載している。

車両の後部には「HYBRID」のバッチがつけられている(撮影:尾形文繁)

トヨタの「プリウス」やホンダ「フィットHV」など、モーターのみでも走行可能なストロングハイブリッドに比べると、燃費改善効果では劣るものの、低コストというメリットがある。ハイブリッドの人気が高い登録車で、スズキとしても「ハイブリッド」と明確に打ち出すことで消費者にアピールする狙いだ。

6月30日の社長交代会見と同時に発表した5ヵ年の中期経営計画で、スズキは2019年度までに小型車の販売を10万台以上に引き上げる目標を掲げている。俊宏社長が発表会で「早期に10万台にしたい」と意気込みを示したのもそのためだ。

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