スズキ、軽の王者が抱える内なる課題 ハイブリッド車の投入が起爆剤となるか
今後、マイルドハイブリッド車は海外でも展開していく。ストロングハイブリッドについても「いろいろな新技術をトライしている段階。準備はしているが、年内かどうかはまだ乗り越えなくてはいけない課題がある」(俊宏社長)という。そして、四輪技術本部長の笠井公人常務役員が、「エネルギー制御などの課題を解決してから。(導入は)ソリオかスイフトになる」と発表会の場で語った。
ワーゲンとの提携で誤算
スズキが2009年に独フォルクスワーゲン(VW)と資本提携した最大の目的は、技術面の支援だった。長年の提携相手だった米ゼネラルモーターズ(GM)が経営危機でスズキ株を手放して以降、新たなパートナーとして鈴木修会長がVWに頼った。しかし、支配力を強めようとするVWとの関係はほどなく悪化。2011年以降は資本提携の解消をめぐる係争が続く。
VWの協力を得られなくなった中、スズキ単独でどれだけ開発力を高められるかは、一つの大きな課題だった。これについて俊宏社長は、「やればできるじゃないかと思っている」とし、笠井常務も「ちゃんと計画してモチベーションを持ってやれば、自分たちでできると自信がついてきた」と話す。
一方、「新技術を投入する際にはやはりコストがネック。数を作っていろんな商品に展開してコストを下げていく取り組みが重要」(笠井常務)と認めるように、開発面ですべての課題をクリアしたわけではない。提携解消について国際仲裁裁判所の判断が近いと言われる中、次のパートナーを選ぶのか、単独路線を歩むのかは大きなポイントになる。
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