絶好調の日産に忍び寄る中国市場の異変

「新車販売はどんどん悪くなっている」

「非常によい結果が出た」と決算会見で胸を張った田川丈二常務執行役員。だが、注目は別のところに。

世界販売は四半期ベースで過去最高の129万台、売上げと純利益は過去最高を達成。日産自動車が7月29日に発表した第1四半期(4~6月)の決算は好調そのものだった。好業績を牽引するのは、全体の販売の4割弱を占める北米だ。台数は約9%増の48.6万台で、利幅の大きい車種が利益に貢献した。

だが、決算会見で関心が集まったのは、上海株式市場の急落を受け、景気減速懸念が強まる中国だった。日産の中国販売は北米に次いで台数が多く、世界販売の約4分の1を占める。日系メーカー首位の座は2009年以降保持しており、最重要市場の一つだからだ。

販売悪化は長くは続かない?

中国事業を統括する関潤専務執行役員は、直近の状況について「4月から6月にかけて新車販売はどんどん悪くなっている。7月はさらに悪い」と率直に答えた。その上で、「どこまで続くかは分からないが株価の影響を受けていることは間違いない。ただ、政府がしっかり(景気てこ入れへの)介入を宣言しているので、長くは続かないと思う」との見解を示した。

日産の第1四半期決算に反映されている中国の業績は1月から3月。この期間の販売は前期比11%増の29.6万台と、市場全体の伸び率の約2倍も拡大した。ところが、関専務が「どんどん悪くなっている」というように、4月から6月の販売台数はほぼ前期並みの29.2万台と一気にスローダウンしている。

6月の中国全体の新車販売は前期比2.3%減で、リーマンショック直後以来の3か月連続のマイナス。これには、どのメーカーも頭を悩ませているはずだ。日産が2015年に掲げた販売目標は130万台。上半期(1~6月)の実績は58.8万台だったことから、下半期は上期実績の約2割増となる70万台超を売らないと計画に届かない。

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