第1四半期(4~6月)を好業績で着地した会社の中には、そのタイミング(7~8月)で早々に上方修正をしたところもある。しかし、中国経済の減速など下期の経済情勢が不安視される中で、出足は好調だった企業も、先行きについて慎重視している。
上方修正をして期待を高めた後に、その計画に届かなければ一層の批判を受けるため、よほどの自信がなければ期初の計画を据え置くことが多い。『四季報』ではそうしたケースにおいても、企業側の計画が必要以上に保守的と判断される場合は、独自予想を引き上げる。
リストラ効果でソニーが1位に
ランキング1位のソニーは、リストラ効果もあり、今年1月安値2351.5円から5月高値3970円までの4カ月間で株価が約7割値上がりした。6月末に26年ぶりとなる公募増資を発表、1株当たり利益の希薄化が嫌気され株価は下落基調に転じたが、業績そのものは好調だ。
『四季報』は、同社の収益柱であるイメージセンサーが当初の計画以上に拡大しているとして、強気の予想。足元の株価は再び反発を開始している。増資のマイナスをカバーできるほどの好業績をたたき出せるか、第2四半期決算の発表が待たれるところだ。
ランキング5位の中堅医薬品メーカー、科研製薬も57.1%と、大幅な上振れを想定している。株価も9月までは高値圏にあった。しかし10月初めに急落、その後の戻りも鈍い。業績の牽引役であるつめ白癬(はくせん)症薬「クレナフィン」にライバル薬が出現すると判明。今期は好調でも、中長期的な収益見通しに不透明感が漂い始めたことが、株価低迷の主因だ。
業績の上振れは好材料であることは間違いないが、中長期の持続性も見極め、柔軟に応じる必要もある。
(週刊東洋経済2015年10月31日号「投資の視点」から転載)
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