ストーカーの中でも特殊なタイプ《神戸女性殺害事件》谷本将志容疑者(35)を異常行動に駆り立てた衝動とは?
今回の谷本将志容疑者も、被害者を「好みのタイプだった」と供述しており、親密な関係になれると一方的に信じ込んで、ストーカー行為に出ていたと考えられる。
さらに、過去にもストーカー行為で検挙された経験があり、その際も相手宅に居座って1時間以上も好意を伝えていたことがわかっている。
「物色」と「追跡」そのものが目的化する心理
多くの人にとっては理解しがたい点であるが、彼にとっては「女性を物色すること」「後をつけること」自体が最大の興奮源であったと考えられる。一般的な恋愛感情や性的欲望と異なり、親密希求型ストーカーでは、関係構築そのものよりも「つきまとう行為」自体のほうが快感や達成感を伴う場合があるのだ。
それを裏付ける行動として、神戸に着いたその夜から早速別の女性を見つけてストーカー行為を行っていることが挙げられる。さらに、事件の2日前から50回以上も被害者の勤務先近くの監視カメラにその姿が捉えられていることも報じられている。
そもそも、容疑者は1カ月前に神戸行きの新幹線の切符を取り、神戸の中心部にホテルも予約して、わざわざ休暇を取って地元である神戸に戻っている。これは、慣れ親しんだ場所で、過去のように「ストーカー行為をすること」自体を目的にしていたためだと考えられる。
一方で、このように周到に事前準備をしていたにもかかわらず、注目すべきは、逃走や逮捕されることへの無警戒な態度である。谷本容疑者は防犯カメラを気にする素振りもなく、非常に目立つ髪型のまま行動していた点からもそれが明らかだ。
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