ストーカーの中でも特殊なタイプ《神戸女性殺害事件》谷本将志容疑者(35)を異常行動に駆り立てた衝動とは?

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警察庁の統計によると、元恋人、元配偶者、知人・同僚など「顔見知りに対するストーカー」は、69.9%であるのに対し、「見知らぬ相手へのストーカー」は全体のわずか8.8%しかいない。その差は歴然としている。

犯罪心理学者のMullenは、ストーカーを5つのタイプに分類している。それらを以下にまとめた。

拒絶型:関係を拒絶され、復縁を求めることが動機。復讐の気持ちも強い。

怨恨型:相手への恨みから、自分を被害者だと見なして、仕返しをする。

親密希求型:一方的に好意を抱き、何の根拠もなく親密な関係になれると確信している。

無能型:対人能力を欠き、好意というよりも軽い気持ちで一方的に接近する。

捕食型:レイプなどが目的で、しばしば自分の存在を察知させて相手が畏怖するのを楽しむ。

妄想的に信じ込む厄介なタイプ

上で述べたように、今回の容疑者に一番当てはまるのは、「親密希求型ストーカー」である。相手との恋愛関係や親密なつながりを一方的に強く求めるタイプで、しばしば相手とはまったく面識がなく、一方的に「恋愛関係が成立する」と信じ込むことが特徴である。

「われわれは結ばれる運命だ」などと妄想的に信じ込んでいるようなタイプもある。そして、彼らは、相手から拒絶されてもあきらめず、むしろ「試されている」「まだ可能性がある」などと解釈して、異様なつきまとい行為を続けるのである。

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