深夜の「置き配」もロボットが担当。ヤマト運輸が大規模マンションで仕掛ける物流のこれから
開発元のWATT社は2020年3月に韓国で創業し、すでにソウル市内で実績を積んでいる。ロボットの学習期間は3日から4日ほど。建物の見取り図を基にボタンの位置などを記憶するという。同社は「韓国に比べて日本の廊下やエレベーターが狭い」点を日本特有の課題として挙げており、最適化を進めている。ロボットは3cmまでの段差と5度までの傾斜に対応する。
スタッフから住民へ、ロボットが荷物を届けるまで
では、荷物は実際にどうやって住民の手元まで届くのか。一連の流れは、まずマンション常駐スタッフの一手間から始まる。彼らが荷物をスマート宅配ボックス「W-Station」に格納すると、ボックスが送り状を即座にスキャン。ほぼ同時に、居住者のスマートフォンに「お荷物が届きました」と知らせるメールが飛ぶ。

ロボット配送用の宅配ステーション「W-Station」に荷物を預け入れる(筆者撮影)
メールを受け取った居住者は、都合の良い日時や受け取り方法をスマートフォン上で選ぶだけだ。対面か、あるいは非対面の置き配か。選択肢はシンプルだ。指定された時間になると、W-Stationから指示を受けたロボットが荷物を受け取り、居住者の玄関を目指す。

ロボットは宅配ステーションから自動で荷物を受け取る(筆者撮影)

宅配中のロボットの様子(筆者撮影)
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