深夜の「置き配」もロボットが担当。ヤマト運輸が大規模マンションで仕掛ける物流のこれから

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ヤマト運輸 宅急便部長の久保田亮氏(左)と、宅急便部 エリアマネジメント推進課 担当課長の宮原陽平氏
ヤマト運輸 宅急便部長の久保田亮氏(左)と、宅急便部 エリアマネジメント推進課 担当課長の宮原陽平氏(筆者撮影)

建物の巨大化は、住民の受け取りニーズの多様化を加速させた。「深夜に受け取りたい」「飲料やお米などの重い荷物は玄関先まで届けてほしい」「20時以降は子どもが寝ているのでインターホンを鳴らさないでほしい」といった要望は、もはや珍しくない。

一方で、宅配事業者にとっては課題が山積している。ヤマト運輸の久保田亮氏は、現状の課題を「時間的、物理的制約がある」と指摘する。複数の宅配事業者が同じマンション内を何度も往復する非効率さに加え、厳重なセキュリティやエレベーターの待ち時間など、これら大規模マンション特有の環境が、現場のドライバーたちの肩に重くのしかかっている。

「エレベーター連携不要」という強み

この課題解決のカギを握るのが、韓国WATT社製の自動配送ロボットだ。今回の実証では、スマート宅配ボックス「W-Station」、対面配達用の「James mW(ジェームズ ミリワット)」、置き配用の「James W(ジェームズ ワット)」という3つの機材を1セットで運用する。運べる荷物はみかん箱より一回り大きいサイズまで。重量は最大30kgと頼もしく、水のケースなども問題ないという。

宅配ロボット
左から、対面配達用のJames mWと、置き配用のJames W(筆者撮影)

このロボットの最大の武器は、その「身軽さ」だ。多くのライバル機と違い、エレベーターシステムとの大がかりな連携を必要としない。すべては、器用に動くアームが可能にする。学習した位置にあるボタンを的確に押し込み、セキュリティカードをかざしてオートロックをいとも簡単に解除していく。

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