ホームや路上で女性にいきなり…「ぶつかり男」は罪に問えるのか?心理と対処法を専門家に聞く《5月には大学准教授が暴行容疑で逮捕》

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そこで考えたいのが、ぶつかられたときにすべきことだ。

「まず、自分の身の安全が守れる状況かを最優先に考えること」と坂野弁護士。そもそも、ぶつかり男は“自分よりも弱いと見込んだ相手を狙う”ことが多いとされる。そのため、注意したり警察への同行を求めたりする場合、相手が逆上して、こちらの身に危険が及ぶおそれがあるためだ。

そのうえで必要なのは、▽加害者の写真を撮る(後ろ姿でもよい)▽被害に遭った場所の写真を撮る▽目撃者の確保▽防犯カメラなどがある場合は該当する施設に映像確認を申し入れ、可能であれば映像の写しを確保する、などだという。

大学准教授が逮捕された経緯

こうしたことができなかったとしても、警察に被害届を出すことはしておきたい。

福岡県警早良署に取材すると、前述の大学准教授の場合、通行人にバッグをぶつける被害の届け出や相談が複数あったため、警察が現場付近を警戒した結果、逮捕につながったという。

「被害届が出ても、捜査機関に捜査する義務が生じるわけではありませんが、届け出が複数になれば、この大学准教授のように警察が動く可能性が出てきます。後日でもいいので、近くの交番や警察署に届け出をしておくほうがよいでしょう」(坂野弁護士)

被害届については警察庁が昨年3月、「被害の届出に対しては、被害者等の立場に立って対応し、その内容が明白な虚偽又は著しく合理性を欠くものである場合を除き、即時受理すること」とする通達を全国の都道府県警などに出している。

このため、たとえ証拠がなくても、よほど合理性を欠く点がなければ、被害届は受理してもらえる可能性が高い。

しかし、「この通達を知らない警官がいたりして、合理的な被害届であっても受理をどうしても拒否するような場合は、『通報』の手段もある」と坂野弁護士は言う。被害届と異なり、通報は電話などで、匿名でもすることができる。被害者以外の目撃者が通報することも可能だ。

特にぶつかられてケガをした場合は、少なくとも事故に該当するため、緊急性があれば110番通報という手段も考えられる。

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