クラブW杯は全敗、30年でJ1優勝1回、埼スタ管理者から除外… 三重苦にあえぐ「浦和レッズ」が完全復活へ掲げる"のろし"

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「われわれの拠点は、トップチームの練習場があるさいたま市浦和区の大原サッカー場、レディースやアカデミーが主に利用している桜区のレッズランド、本社所在地である緑区の埼玉スタジアム、営業部隊などがベースにしている浦和区のオフィス2カ所と、拠点が点在していました。そのうち前者の3つはそのまま維持しますが、営業などの拠点を浦和駅近くに移転し、フロントスタッフの連携がより密になるようにするつもりです。

埼玉スタジアムの指定管理者から今年3月31日を最後に外れましたが、われわれとしてはお客さんにとっていかに快適な空間をどう作り上げるかが重要。そのミッションに直接関与できなくなったのは残念ですが、試合日のイベント実施や家族連れのファン・サポーターに喜んでもらえるような取り組みは積極的に続けていく方針は変わりません」(田口社長)

サッカークラブにとってスタジアムビジネスは生命線。Jリーグでも、2024年に開業したエディオンピースウイング広島にホームスタジアムを移したサンフレッチェ広島の売上高が、2023年度の41億9800万円から翌年度には80億3500万円にジャンプアップした事例があった。試合日の集客増のみならず、平日の会議や学会の開催という利用促進策が、大幅増収につながった格好だ。浦和の場合はそういったビジネスチャンスを作りづらい環境にある。

「社長のミッションはクラブを守ること」

「スタジアムのこともそうですが、将来に向けてやるべきことはたくさんあります。浦和レッズには、『アジアナンバーワンクラブ』という中期経営ビジョンが掲げられています。この2年半、ガバナンスの健全化も組織運営には欠かすことができない要素としてクラブ内外に発信し、その中でサポーターとも自分なりに真摯に向き合ってきたつもりです。

2023年8月の天皇杯・名古屋グランパス戦での一部サポーターによる問題行為もありましたが、社長のミッションはクラブを守ること。そういう責任感を持って取り組みました。今はとにかく強いレッズを早く作り上げたい。それが切なる思いです」(田口社長)

日本一のサッカークラブを率いる田口社長のタイトルへの渇望はすさまじいものがある。大混戦の今季は千載一遇のチャンス。これを絶対に逃してはいけない。

元川 悦子 サッカージャーナリスト

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もとかわ えつこ / Etsuko Motokawa

1967年、長野県生まれ。夕刊紙記者などを経て、1994年からフリーのサッカーライターに。Jリーグ、日本代表から海外まで幅広くフォロー。著書に『U-22』(小学館)、『初めてでも楽しめる欧州サッカーの旅』『「いじらない」育て方 親とコーチが語る遠藤保仁』(ともにNHK出版)、『黄金世代』(スキージャーナル)、『僕らがサッカーボーイズだった頃』シリーズ(カンゼン)ほか。

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