なぜ丸亀製麺は香川県内では「圧倒的大敗」? はなまるうどんよりも店舗数が少ないが…味だけではない根本的な要因

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

なお、閉店した丸亀製麺のうち「イオン高松」フードコート内の店舗(旧:トリドール運営の「亀坂製麺」)は「こがね製麺」(セルフうどん店)に転換、いまも盛業中。栗林公園店も近隣にはガスト・ココス・ケンタッキーなどのチェーンストアが連なるものの、うどん店は若干手薄なはず(松家・谷本・植田・雅やなどはとうに閉業している)。

やはり「うどん店に向かない」ではなく、「丸亀製麺は、上手くいかなかった」と見るべきだろう。

(筆者撮影)
鶴丸
高松市の飲み屋街にある「鶴丸」。豊富な夜メニューとおでんで、夜の利用客の支持が絶大(筆者撮影)

また、香川県ではほとんどの人々が朝・昼しかうどんを食べず、個人・家族経営店の多くは、昼過ぎに店を閉めてしまう。しかし全国チェーンの丸亀製麺は、マニュアルそのままに夜営業に踏み切らざるをえず……夕方~夜営業はかなり来客が少なかったと聞いており、経営面では相当に不利であっただろう。

こういった難点を克服するために、夜営業を行う店舗は「ビール最初の一杯で天ぷら一品無料」「酒が進む一品料理を出す『うどん居酒屋』化」(鶴丸・えん家・さぬき麺之介など。高松市内にかなり多い)など、いろいろな施策を打っている。

しかしなぜか、丸亀製麺はほぼノープランのようで、閉店した店舗でも特別な策を打っていたとは聞かない。他県より圧倒的に不利な状況で、あがくことなく営業していれば、顧客を獲得できず閉店するのも当然だろう。

手打ちと創造
はなまるうどんの新業態「手打ちと創造」の南側に「丸亀製麺」の店舗が見える(筆者撮影)

唯一生き残る店舗の特徴とは?

ただ、丸亀製麺が出店した3店のうち、「高松レインボー通り店」だけは2025年現在も生き残っている。

店舗がある高松市多肥町は幹線道路沿いのロードサイドにあり、ここ十数年で小学校の児童数が900人→1200人に増加するほど、郊外の宅地として発展が著しい。かつ県外からの転勤族も多く、ロードサイド立地の外食全般になじみ深い客層でもあり、価格高めな丸亀製麺のプライスゾーンにも一定の理解があるだろう。

地元の方々に聞いたところ、目の前にある「はなまるうどん多肥店」より混雑していることも多く、それなりににぎわっているようだ。「はなまる」は高松市への本社移転・店舗改装プロジェクト出店にともない、セルフ業態ではない「手打ちと創造」にリニューアルしており、真正面からのバッティングではなくなった。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事