「なにがダメだったのか」「問題ない投稿だった」との声も…。ミツカン「そうめん投稿」が"女性蔑視"として批判→謝罪はどうマズいのか

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SNS運用の肝

一度こうした「前例」ができると、あらゆるSNSマーケティングに影響が出てしまう。そう考えると、やはりミツカンの削除対応は得策ではなかったと思われる。

よくネットスラングでは「消せば増える」と言われるが、削除することで「それだけ問題のある内容だったのか」と興味を持つ人が増え、より火に油を注ぐことになる。消せばそれで終わりではないのが、SNS社会の難しいところだ。

そして、最も大切なのは、「途中で断念するくらいなら、最初からチャレンジしない」ことだ。ミツカンの投稿時点で、そうめん論争はすでに「そうめん調理は重労働か」から、「男女の家事負担」に争点が移っていた。

つまり、このタイミングで、この内容を投稿すれば、一定数のバッシングが来ると、容易に想定できたはずなのだ。そうしたリスクを背負ってもなお、攻めたプロモーションをするのであれば、それはそれで戦略のひとつとしてアリだろう。

しかしながら、結局すぐさま削除してしまった。これにより早期の幕引きにはつながったが、ネットユーザーには中途半端な印象を与えるのみ。「消すくらいなら、そもそも投稿しなければよかった」と感じさせてしまえば、企業としてのブレを印象づけてしまう。

SNSユーザーから投げかけられる「お気持ち」に、いかに向き合うかは、いまや企業のPR活動において、重要な要素を占めている。無視すればしたで、「消費者の声に耳を傾けない不誠実な企業」とのレッテルが貼られる。

やはり、こうしたケースでは「何を言われても曲げずに投稿を続ける」、もしくは「そもそもセンシティブな話題には触れない」のどちらかを取るのがベストだ。それが無理なのであれば、SNSを運用するのはやめたほうがいいだろう。

城戸 譲 ネットメディア研究家・コラムニスト・炎上ウォッチャー

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きど・ゆずる / Yuzuru Kido

1988年、東京都杉並区生まれ。日本大学法学部新聞学科を卒業後、ジェイ・キャストへ新卒入社。地域情報サイト「Jタウンネット」編集長、総合ニュースサイト「J-CASTニュース」副編集長などを経て、2022年秋に独立。現在は東洋経済オンラインのほか、ねとらぼ、ダイヤモンド・オンライン等でコラム、取材記事を執筆。炎上ウォッチャーとして「週刊プレイボーイ」や「週刊SPA!」でコメント。その他、ABEMA「ABEMA Prime」「ABEMA的ニュースショー」などネット番組、TOKYO FM/JFN「ONE MORNING」水曜レギュラー(2019.5-2020.3)、bayfm「POWER BAY MORNING」などラジオ番組にも出演。政治経済からエンタメ、炎上ネタまで、幅広くネットウォッチしている。
X(旧ツイッター):@zurukid
公式サイト:https://zuru.org/

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