「なにがダメだったのか」「問題ない投稿だった」との声も…。ミツカン「そうめん投稿」が"女性蔑視"として批判→謝罪はどうマズいのか
しかし削除することにより、「女性軽視だと認めた」ように見えてしまう。老若男女を問わない表現である以上、たとえ炎上したとしても、ここはスタンスを貫くべきだっただろう。
「キャンセルカルチャーの成功例」となってしまった
そして、今回のミツカン側の対応で、一番大きな影響になりそうなのが、謝ったことにより「キャンセルカルチャーの成功例」として記録されてしまうことだ。キャンセルカルチャーとは、好ましくない表現をしたとされる個人や企業などを否定して、不買運動などを行うことを指す。
あくまで「好ましくない」は主観的なものであるが、削除や謝罪などの対応を行えば、客観的な事実となってしまう。すると、以降はその対応を基準に、あらゆる評価が行われることになる。ミツカンの件も同様に、テストケースとして扱われるだろう。
これが単に「ミツカンのやらかし」と思われるのであれば、まだ救いがある。姿勢を問われるのが、ミツカン単体だからだ。しかし、それだけにとどまらないのが、キャンセルカルチャーの常だ。
今後もし同様の事例が、他社で起きた場合、その企業はどのような向かい風を浴びるだろう。おそらくは「ミツカンは謝ったのに、なぜお前たちは謝らないのか」となるのではないか。そうした批判を突きつけられたとき、企業は強気の姿勢を保てるか。
そもそも、その手前で「批判が起きないような発信を」と、自主規制によってブレーキをかけてしまうこともあるだろう。どれだけ現場の広報担当者がノリノリでも、上層部からの「ヘマするなよ」といった重圧があれば、安全側にレバーを引くことは十分有り得る。
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