Netflixの「アニメ最強化計画」は今が攻め時?「SAKAMOTO DAYS」や「NARUTO」が世界で大人気!…一方、ひそかに抱える“ジレンマ”とは

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「SAKAMOTO DAYS」
「SAKAMOTO DAYS」のNetflix版予告は、公式の3倍にも上る再生数を記録した(画像:Netflix)

アニメを見るサービスとしてNetflixが選ばれている理由は、大きく分けて2つあります。

1つ目は、ライト層の取り込みが成功していることです。Netflixは「コアファン」「ライト」「ファーストタイマー(入門者)」の3つに分かれたアニメの視聴者のどの区分も取りこぼすことがないよう、言語の壁を越える吹き替えに力を入れています。

日本でローンチした10年前、日本発アニメの対応言語は10言語程度に限られていましたが、現在Netflixではアニメ作品を最大33言語で提供し、拡大させているところ。アメリカ・ブラジル・メキシコの視聴者の約80%は吹き替え版を利用しているそうです。

前述の坂本氏は、「Netflixでアニメを視聴したメンバーの反応をみると、初めてアニメに触れたような声が多い印象があります。ローカライズに力を入れ、驚異的なサポート体制によって、アニメ視聴の伸長に影響を与えています」と自信を見せます。

作品に関心を持ってもらうためのカギとなる予告映像にも注目し、独自編集でグローバル版の予告を用意するほどの力の入れようです。日本の権利元サイドが用意する公式予告は日本人にとって親しみやすい仕様になっているのが通常ですが、Netflix版の予告は「何を描いた話なのか」一目でわかるように表現されています。テロップにも頼りません。

この効果もあってか、「SAKAMOTO DAYS」のNetflix版予告は、公式の3倍にも上る再生数を記録しています。

「NARUTO」は世界で約4800万ビューの人気

Netflixが選ばれている理由の2つ目は、非独占コンテンツの売れ筋をそろえていることにありそうです。

Netflixと言えば、自ら投資した独占オリジナルコンテンツが最大の売りです。それによって競合と差別化を図って成長してきましたが、2020年以降、ラインナップに変化が表れています。ドラマに至っても非独占コンテンツがNetflixの中で占める割合が増えているのです。

アニメも同様に人気作は非独占ものが並びます。海外で人気の「NARUTO」シリーズはNetflixで約4800万ビュー、「ONE PIECE」アニメシリーズおよび劇場版を合わせた視聴数は約3000万ビューと、実績を作るアニメは非独占ものが目立っています。勢いのある「鬼滅の刃」も、2024年に「週間グローバルTOP10」(非英語作品)入りしたアニメの1つです。

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