「もしも自宅が水害の被害を受けたら…」。浸水した家のその後、片付けや掃除はどうすればいい? 《水害時の掃除の新常識》
水害後のトラブルを防ぐために
■壁材の除去
水害後、「壁の表面を掃除しても、何度もカビが生えてくる」という相談は少なくありません。中谷氏は、室内は生活空間であるため、濡れたものを物理的に取り除き、乾燥させ、消毒するという工程が重要であることを説明します。
その方法として、壁紙やクロスを剥がし、厚さ約1cmの石膏ボードを外します。その奥にある断熱材を取り除くところまでが「内装解体」にあたり、これらを順に撤去していきます。この作業には、およそ15〜20人の人手が必要です。

災害時は大工や工務店、建築会社が多忙になるため、可能な範囲までは住民やボランティアが作業を担います。ただし、備え付けのカップボードや造作家具など、専門的な技術が必要な部分はプロに任せることが安全です。

このように作業を住民と専門業者で分担することが大切であり、DIYスキルがあれば内装解体も十分に可能だとされています。
その際、電気配線に関する安全確認もマニュアルに記載されています。

以下は、水分を吸った断熱材の写真と、断熱材を除去した壁の写真です。石膏ボードも水に濡れていることがわかります。これも乾かすことが重要です。


断熱材の除去の方法は、荏原製作所『住宅における水害対応マニュアル』からダウンロードできるようになっています。

使用する工具は下の写真のように整理されています。

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