「もしも自宅が水害の被害を受けたら…」。浸水した家のその後、片付けや掃除はどうすればいい? 《水害時の掃除の新常識》

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『住宅における水害対応マニュアル』は、全体のフローと学術的に根拠ある対策が簡単にまとめられています。

一方、『水害にあったときに~浸水被害からの生活再建の手引き~』は、ボランティアの現場での経験の蓄積や専門家の知見をまとめた、とてもわかりやすい資料になっています。

浸水被害を受けたあと何をすべきか?

荏原製作所の『住宅における水害対応マニュアル』には全体を見通し、今、何をすべきか、どこまで実施したかを確認できるフローが記載されています。

『住宅における水害対応マニュアル』
(画像:株式会社荏原製作所『住宅における水害対応マニュアル』イラスト中井伶美、P4-P5より)

この流れを把握しているだけで、作業効率が格段に上がります。やみくもに動くのではなく、建物と生活に関する5つの作業を同時並行で進めることが重要です。

5つの作業とは、

①生活周りの整備(乾燥によるカビ対策)
②復旧作業
③行政手続き
④保険手続き(建物)
⑤保険手続き(車)

です。漏れを防ぐためにも、まずはこのリストを入手してください。

監修者の中谷岳史氏(信州大学工学部建築学科・建築環境工学助教)は、2019年の東日本豪雨で自宅が床上30cm浸水する被害にあいました。

修理であっても自宅の壁を傷つけるのは、誰でも躊躇するものです。しかし中谷氏が2週間、自宅の修理に手をつけられずにいたところ、壁一面がカビのようなものに覆われてしまったそうです。

この経験から、国際的に根拠のある水害後の対応の研究や、各地での水害現場での実証もふまえ、このマニュアルを監修しました。この中では、早期乾燥の重要性と最も効率のよい手順がまとめられていますので、いくつかポイントを見ていきましょう。

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