まだロッテのお家騒動は終わっていなかった 長男が父親を担ぎ出し、戦いは第2ラウンドへ

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長男の宏之氏は反撃に打って出た。しかし、勝算はほとんどなさそうだ(写真:Yonhap/アフロ)

父親と兄弟、日韓両国を股に掛けて繰り広げられたロッテグループの権力争い。今年8月の株主総会で決着がひとまず付いたが、わずか2カ月で第2ラウンドのゴングが鳴った。

「(重光武雄)総括会長は激怒し、あきれはてている。総括会長本人をすぐさま元の地位に戻し、弟(重光昭夫・韓国ロッテグループ会長)を含む関連者の処罰を望んでいる。このため、総括会長は私に直筆の署名のある委任状を与え、法的措置などを含めた一切の行為を委任した。私は父の意志を受け取り、訴訟を含めた必要なあらゆる措置を始める」

日本ロッテホールディングスで副会長を務めた武雄氏の長男・重光宏之氏が再び「父親」というカードを切り出した。10月8日午前、宏之氏は緊急記者会見をソウルで開催。「法的権限を委任する」という武雄氏の委任状を公開し、さらには武雄氏が委任状に直接署名する様子を撮影した動画まで公開した。「父の健康状態は、正常な経営判断を行うことになんら問題はない」ことを明らかにしようという意図が垣間見える。

長男は「100%、弟に勝てる」と自信

当記事は韓国の経済誌「中央日報エコノミスト」掲載記事の日本語訳です

「韓国語が不十分」ということで、妻のチョ・ウンジュ氏が代読した発表文を通じ、宏之氏は「総括会長の速やかな原状復帰と名誉回復、ロッテグループ会長の昭夫氏を含む関連役員全員の退任を目標に戦う」ことを明らかにした。

第1ラウンドでは負けたものの、勝負はまだまだついていないと宣言したことになる。宏之氏は日韓両国で3件の訴訟を起こした。

一つは、武雄氏の「代表権及び会長職の解任無効訴訟」であり、二つ目は「取締役解任による損害賠償請求訴訟」、そして三つ目が「ロッテショッピング会計簿閲覧仮処分申請」だ。宏之氏は、法的訴訟による経営権争いの勝算をたずねる質問に「100%勝てると思う」と強い自信を示した。

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