全英制覇で2億稼いだ山下美夢有「メジャー大会制覇6人目」なぜ日本女子ゴルフは世界でトップレベルになったのか。

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2015年、JGAのナショナルチームのヘッドコーチに、オーストラリア・ナショナルチームコーチであるガレス・ジョーンズ氏を招聘。最先端のプログラムでナショナルチームを強化し、世界と伍して戦える選手を育成した。

山下はナショナルチームには入れなかったが、勝、畑岡、古江彩佳らはジョーンズ氏の指導を受けた。

JLPGが3日間競技から世界のスタンダードである4日間競技を増やし、世界で戦える選手競技レベルを上げていったことも見逃せない。

パリ五輪4位で「涙」からの復活劇

さて、山下だ。

山下といえば、2024年に行われたパリオリンピック・パラリンピックのゴルフ代表だ。表彰台に1打及ばず4位となり、涙をのんだ。JLPGAの小林浩美会長のねぎらいに、涙を流した姿を覚えている人もいるのではないだろうか。

山下がアメリカ挑戦を決めたとき、その理由について年末のJLPGAの表彰式で「レベルの高い選手がたくさんいる。そのなかでもっと自分のレベルを上げていきたい。オリンピックに出て、結果はあまり良くなかったけれど、海外の試合で優勝したい」 と話した。

今回、優勝後の凱旋帰国による日本記者クラブの会見では、賞金の使い道について「本当に何も特に考えていなくて」と答えた山下。今後の目標については、「メジャーはとれたが、ほかのメジャーでも優勝したい。出れる試合は優勝を目指す。世界ランキング1位になれるように頑張りたい」と明確な目標を語った。

身長150センチと小柄な山下。大柄な海外勢のなかではひときわその小ささが目立つ。だが今回、彼女の優勝を見て、ゴルフというスポーツでは体格以上に技術力がものを言うことが明らかになった。勇気をもらえたジュニアも多いのではないだろうか。

そのジュニアへ山下はこうエールを送った。

「(自分は)大きくなく飛距離も出ない。でも、技術面では戦えると思ったので、ショートゲームやショットの精度を上げれば絶対優勝できると思った。そういった練習をすれば海外でも活躍できると思う」

山下の優勝で、ますます女子プロゴルフに目が離せなくなった。山下を始め多くの日本人選手の今後の活躍に期待したい。

難コースを制した山下(写真:Oisin Keniry/R&A/R&A/Getty Images)
嶋崎 平人 ゴルフライター

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しまさき ひらと / Hirato Shimasaki

1976年ブリヂストン入社。1993年からブリヂストンスポーツでクラブ・ボールの企画開発、広報・宣伝・プロ・トーナメント運営等を担当、退職後、ライターのほか多方面からゴルフ活性化活動を継続。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。

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