全英制覇で2億稼いだ山下美夢有「メジャー大会制覇6人目」なぜ日本女子ゴルフは世界でトップレベルになったのか。

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LPGAの賞金がアップしている理由の1つは、世界では男女平等の推進がスポーツ界全体で進んでいることが挙げられる。テニスの4大大会(ウィンブルドンほか)も、陸上競技の世界陸上も男女賞金は同額だ。

とはいえ、そのなかでゴルフはまだまだ男女差が大きいスポーツだ。

例えば、男子ゴルフツアー(PGAツアー)はLIVゴルフの登場によって、とんでもない高額が支払われるようになった。

LIVゴルフはグレッグ・ノーマンが主体となって2022年に創設された、サウジアラビア系ファンド(PIF)が支援する新しいツアーだ。3日間・54ホールで競技することから、54を表すローマ数字「LIV」が名前の由来となった。

1試合当たりの賞金総額は2000万ドル(約30億円)で、優勝賞金は400万ドル(約6億円)。フィル・ミケルソンやダスティン・ジョンソン、ブライソン・デシャンボーなど、歴代のメジャー大会チャンピオンがPGAツアーを離れ、移籍した。

LIVほどではないが、PGAツアーの金額も相当なものだ。

2025年メジャー大会の賞金総額は、4月開催のマスターズが2100万ドル(約31億5000万円)で、優勝賞金が420万ドル(約6億3000万円)。5月開催の「全米プロ」は1900万ドル(約28億5000万円)/342万ドル(約5億1300万円)、6月開催の「全米オープン」が2150万ドル(約32億2500万円)/430万ドル(約6億4500万円)、7月開催の「全英オープン」が1700万ドル(約25億5000万円)/310万ドル(4億6500万円)だ。

これを見てもわかるように、まだまだ男女の格差はある。だが、コロナ禍以降、アメリカでは女子ツアーの人気が上がってきており、スポンサー契約が増加。それも賞金の上昇につながっている。

2025年LPGA賞金総額は、ツアー史上最高額となる1億3100万ドル(約196億5000万円)で、JLPGAの賞金総額44億円の約4.5倍である。

日本人選手が強くなったワケ

話を女子ゴルフに戻そう。

2025年、アメリカに主戦場を変えたのは、先に挙げた山下や竹田のほか、双子の岩井明愛(いわい・あきえ)、千怜(ちさと)姉妹もそうだ。そして今、13名の日本人プレーヤーが挑戦している。

関連記事:賞金額は1年で3億「双子の女子プロ」が人気の理由

参戦する選手の平均年齢は23歳で、1998年生まれで“黄金世代”と呼ばれる畑岡奈紗、渋野、勝がすでに年長である。今回優勝した山下のほか、竹田、西郷、岩井千怜が今シーズン優勝している。

これだけ多くの日本女子選手が挑戦して、実績を上げているのは、宮里藍の影響が大きいと考えられる。

宮里は、2003年に18歳でミヤギテレビ杯にアマチュア優勝、2004年のプロ入り1年目で5勝し、女子プロゴルファーブームを牽引した。2006年からアメリカツアーに本格的に挑戦した。彼女に憧れて、ゴルフを始めたジュニアも多く、その世代がプロ入りしている。

もう1つ、日本人女子選手が強くなった理由は、日本ゴルフ協会(JGA)がジュニア選手の育成に成功したことだろう。

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