ペットと結婚、どちらか選べますか? 婚活現場で新たに浮き彫りになってきた「ペットの壁」という現実

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最近では「犬も猫も両方飼っています」と話す会員さんもちらほら見受けられ、驚かされます。SNSや動画配信サイトの影響か、マウスやウサギ、鳥、なかには小豚を飼っている会員さんもいて、以前よりも多種多様なペットが身近な存在になってきています。

気が合う2人が突然「交際終了」のナゼ

30代男性・大樹さん(仮名)は、30代女性・愛美さん(仮名)とお見合い。2人とも「結婚したい」という強い意思を持っており、真剣交際の一歩手前まで順調に進んでいました。ところが、ある日突然、大樹さんが「愛美さんとの交際をお断りしたい」と言い出しました。

理由を聞いてみると、「愛美さんが犬と猫を飼っているから」と言います。大樹さんは動物はどうしても苦手なのだそうです。

2人とも十分な収入があるので、「結婚して大きな家を建てて、2階にペットが来ない自分専用の部屋を作ったらいかがですか」と提案してみたのですが、それを実現するには郊外に家を建てる必要があり、「都心で暮らしたい」という大樹さんの希望に合いません。ペットのこと以外は互いに「条件にぴったり」と気が合っていましたが、残念ながら交際終了となりました。

ペットを飼っている会員さんが増えた一方で、「ペットは絶対に嫌だ」と考える会員さんも多くいます。動物が嫌い、アレルギーがある、世話が大変そう、お金がかかる……と理由はさまざま。現実問題としてペット可の物件がなかなか見つからない、ペットの数や大きさによってはかなり広い物件を探さないとならないという住宅事情もあります。

動物が苦手な人がペットを飼っている人とお見合いをして、「獣臭がした」「服に毛がたくさんついていた」という理由で交際を断ったこともありました。実際には身なりにも気を遣っている人であっても、ちょっとした臭いや毛がペットを飼っていない人にとっては不潔に感じたりだらしなく見えたりするようです。

映画デートの後にディナーを楽しもうとしていたところ、ペットを飼っている女性が「“うちの子”のごはんの時間だから、もう帰らなきゃ」と言ってさっさと帰ってしまい、破談になったこともありました。ペットを飼っていると、散歩やご飯などの都合でどうしても行動が制限され、ゆっくりデートできないケースはよくあります。

また、この女性のようにペットを「うちの子」と呼ぶケースも少なくなく、相手は実子がいるのかと勘違いして、思わぬ誤解を招くことも……。「『うちの子』ではなく、『うちの猫/犬が』と言いましょう」とアドバイスしていますが、話をしているうちにクセで「うちの子が〜」と言ってしまう。そのうえ話題をすぐにペットのことに持っていってしまう傾向もあるようです。

確かに、ペットを飼っている人にとって、その存在は実の子同然に大切なものです。しかし、こうした行動はペットを飼っていない人にとっては理解しづらく、「その濃密な関係に自分は入れない。結婚しても疎外感を抱いてしまうかもしれない」と危惧することもあります。

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