パワハラでフジテレビから"追放"→YouTubeで復活した「反町理」氏、本人が気づいていない《重すぎる十字架》

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この件が2018年に『週刊文春』で報じられると、当時の上層部は事実だと認識していたのに、会見では事実無根と言い張った。よその会社の不祥事は徹底的に追及するのに、自分の会社の醜聞はシラを切った。2人の女性社員の意向はまたもや無視され、有耶無耶にされた。

その後、反町氏は2020年にフジテレビの執行役員、翌年には取締役に就任している。ハラスメントがあったし、上層部も内部的にはそれを認めていたが、その加害者は出世し、被害者は泣き寝入りした。当時、現場は反乱を起こしかねなかったとも聞く。ハラスメントを上層部が結託して握りつぶす会社なんて、信頼できるわけがない。

報告書では、この件について社員たちへのアンケートの回答を載せている。このことへの不満を強烈に訴えるコメントが並ぶ。現場は怒りをたぎらせ続けていた。

「反町氏がBSフジからフジテレビに戻って担当した夕方の地上波のニュースの名称が、BS番組名をそのまま受け継いで『プライムニュース イブニング』に変更されました。これには社内も系列も猛反対したのですが、上層部が社内の政治的理由でゴリ押し。結果、視聴率は低迷し、短期間で終了。あまりの朝令暮改ぶりに現場はあきれ返りました」(前出の元フジテレビ関係者)

ハラスメントの件だけでなく、反町氏に対して現場は大きな不満を抱えていたのだ。

だから、18年も前の事件が火山のように噴出した。第三者委員会はこの件を「ハラスメントが蔓延するフジテレビの企業風土の象徴」と捉えたから、わざわざ克明に書き記した。

「ソコが聞きたい」今後の注目ポイント

言ってみれば、現場によるクーデターが起こったのだ。長年の恨みを現場がこぞって晴らしたかったからこそ、中居氏の件と直接関係ないのに報告書で取り上げられた。

反町氏が動画の最初に、18年も前の件が報告書に取り上げられたことに不満げに言及したこと自体、自分には罪がないと言っているも同然だ。反町氏は確かにセクハラとパワハラをしてしまった。そのことで2人の女性は傷ついたし、現場のモラルを著しくダウンさせた。反町氏の罪は大きい。契約終了に愚痴を言える立場ではない。

「反町理のソコが聞きたい!!」は週1回のペースで更新されていくのだろうか。このタイトルなら毎回ゲストが必要なのだろうが、自分の罪の大きさを理解できていないセクハラキャスターの配信にゲストが続くのか、注目していきたい。

境 治 メディアコンサルタント

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さかい おさむ / Osamu Sakai

1962年福岡市生まれ。東京大学文学部卒。I&S、フリーランス、ロボット、ビデオプロモーションなどを経て、2013年から再びフリーランス。エム・データ顧問研究員。有料マガジン「MediaBorder」発行人。著書に『拡張するテレビ』(宣伝会議)、『爆発的ヒットは“想い”から生まれる』(大和書房)など。

X(旧Twitter):@sakaiosamu

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