日経平均は1万9100円台の攻防戦になる 米国株が株価上昇の主役に戻ってきた
決算が佳境に入る。アメリカ経済の実態が見える信越化学、同様に中国経済が見えるファナック、アメリカ株に大きく影響するアップルの発表が27日(火)。45ドルを下回ってきた原油は要注意だが、為替が121円台で円安シナリオがフリーズしていたボックス圏を抜けるかも知れない。この綱引きを見ながら、今週の日経平均予想レンジは1万8500円から1万9400円とする。
「国土強靭化計画」と「一億総活躍社会」
最後に番外編として、二つのテーマについて触れたい。安倍政権には頭の良いスタッフがいると感じる。たとえば「国土強靭化計画」。現在50年の耐久年数がきているインフラ設備が日本にあふれている。公的管理の15メートル以上の橋が20万橋、都市の上下水道もボロボロだ。やがて来る大災害の備えを考えると無限大の需要がある。
大げさな政策を唱えなくても「国土強靭化」に向けて進むのは日本の趨勢だ。もう一つの「一億総活躍社会」だが、人口が減少する日本は残った国民が一人ひとり活躍しなければやっていけない。これも必然なのだ。
有効求人倍率1.23倍(8月現在)を見れば、首相から経済界への所得増額要求も、それに対する経済界の協力表明も、出来レースの感じがする。この1.23倍という数字は、ちょっと浮かれていたサブプライム・リーマンショック前を抜いただけではなく、平成資産バブルの水準に近づいている。黙っていても所得は上がる方向にある。
国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、65歳以上の人口を支える現役世代人口は、1980年に7.4人であったのが、2000年に3.9人、2020年には2.2人となり、日本の人口が1億人を割れるかもしれない2050年には1.5人で年金受給者1人を支える。「一億少数精鋭時代」となって、いやが上にも活躍しなければならなくなる。
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