1972年、埼玉県熊谷市にて小さな焼肉屋として始まった同社。焼肉屋の営業は順調だったものの、当時の外食産業では、ロイヤルホストやガストといった大手チェーンが「洋食」の分野で勢力を拡大していた。そこで、当時まだ珍しかったという「茹で上げパスタ専門店」というニッチな市場に活路を見出した。
最初はわずか15席ほどの喫茶店のような店だった。そこから、少し安価なイタリアンとして「モダン食堂」が生まれ、やがて「ピッツァ食べ放題」という付加価値を加えて「モダンパスタ」へと進化した。現在は洋食店「レストラン馬車道」をはじめ、唐揚げ専門店「鶏彩」、和食レストラン「徳樹庵」、そして焼き肉「煉火亭」など、埼玉県を中心に関東1都6県で合計10のブランドを展開している。
モダンパスタの看板メニューのピッツァ食べ放題はやはり人気で、来店客の約7割が注文する。メインディッシュの中では、一番人気はやはりパスタ。学校の卒業シーズンでは、部活の打ち上げなどでの貸切利用されることもあるという。
価格と「体験価値」を両立するために
驚くべきは、価格だ。パスタが658円から、ハンバーグやチキングリルも979円からと、非常にリーズナブル。食べ放題を付けても2000円以内に収まり、満足度は非常に高い。
イタリアンやパスタのチェーン店は数多くあるが、低価格やメニューの豊富さを武器とする店が多い。モダンパスタが勝負するのは「体験価値」。物価高の昨今、どのようにして実現しているのか。
「馬車道グループ全体の考え方として『これだけは絶対に譲れない』という品質へのこだわりがあります。一人のお客様から多くをいただくのではなく、たくさんの人に来ていただくことで、価格と品質を両立させているんです」
味の均一性が求められるソース類はセントラルキッチンで一括製造する一方、鮮度が重要な野菜は各店舗でカット。そうすることで、品質とコストの最適なバランスを追求している。
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