高騰が続くガソリン価格、スタンドは1円競争に
国際的に原油価格の高止まりが続いている影響で、ガソリンの販売価格が急騰している。2月下旬以降、急速に上昇を開始、4月上旬までに15円近く値上がりした。
中でも東京都内は全国平均を上回る平均販価160円台に突入。顧客の奪い合いが激しくなり、最安値と最高値の差は37円開いている。
口コミの価格比較サイト「gogo.gs」によれば、都内最安値は世田谷・八幡山の東燃ゼネラル石油系ガソリンスタンドの1リットル141円。今回の急騰が始まる直前、2月13日の全国平均よりも2円弱安い。同スタンドは、客が自分で給油する代わりに割安さが売りのセルフスタンドだ。
一方、都内最高値は東京大学の本郷キャンパスに近いコスモ石油系の有人スタンド。実際に行ってみると、「レギュラー178円」と書かれた看板は、ひっそりと事務所内に置かれて目立たない。「足元の仕入れ価格を前提に、有人での適正利潤を確保しようとしたら、不思議ではない販価水準」(ある特約店の幹部)。
ただ、そこからわずか200メートル先には昭和シェル石油系のセルフスタンドがある。こちらはレギュラー1リットル155円。明らかに顧客の入りが違う。さらに目と鼻の先には同じ昭和シェル系スタンド。有人スタンドなのに152円と約6キロメートル都心寄りのセルフより1リットル3円も安い。同スタンドでは連日、給油を待つ自動車で長蛇の列。「客は1円でも安ければ10キロメートル先のスタンドに行く」。ある販売業者幹部はため息を漏らす。