「ディズニーのカチューシャ買って即フリマ売り」Z世代≪ごめんね消費≫の深層心理

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彼女は普段、コンビニに必ずエコバッグを持参し、地域の川を守る活動にも参加するほか、スマホアプリで歩数管理して健康にも配慮する「いい子」です。しかし、友達とTDLや映画に行くときは、つい無駄なモノや体に悪そうなモノ、例えばキャラクターのカチューシャやコスプレの衣装、あるいはコーラやポップコーンなどを買ってしまうとのこと。

「だって、仕事で『メンブレ(メンタルブレイク。精神的に追い込まれた状況)』しそうでヤバいって思うから遊びに行くのに、そこでまで制限かけちゃったら意味ないでしょ」

生命保険の法人営業部員として活動する彼女は、普段から「ハンパなくストレス溜まるし、コンプラ(イアンス)に縛られっぱなし」とのこと。そのため「疲れた」と思ったら、意識的にレジャー施設や映画館に出向いて、メンブレを回避。

「あえて」無駄なモノや環境に配慮しないモノ(ごめんね消費)、あるいは体に悪そうなモノ(背徳グルメ)を買い、何にも縛られない空間を満喫して、「自分をラクにしてあげる」と言います。

彼女の行動は、行動心理学の「カリギュラ効果」、すなわち「ダメと制限されたことをやりたくなる」心理に近いと考えられます。

特にZ世代は、普段から環境や健康、コンプライアンスなどで制限されており、自身のストレスを解放するために、「背徳」「ごめんね」に繋がる分野に、あえてお金を使っているのかもしれません。

TDLカチューシャの消費行動

ちなみに、TDLのカチューシャといえば、2023年4月、Twitter(現X)上で、「ディズニー(ランド)に行ったら、まずすること」との投稿を巡り、共感の輪が広がりました。

具体的には、園内で買ったカチューシャをすぐその場で撮影して、次の瞬間メルカリに出品。身につけて楽しんでいる間に売れれば、帰りにコンビニから(購入者に)即発送できる。そうすれば持ち帰る必要もなく、かつ定価に近い金額で売れて合理的だというのです。

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