「トランプの妖術」にはまっているが、いずれ世界経済と日本社会の崩壊に人々が気づけば大暴落がやって来る、今は日本株を高値で売る「絶好のタイミング」だ

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ここで、政権を取り返した第2次安倍政権は、壊れた自民党をさらに壊して、徹底的に浮動層の群衆を引き付ける戦術に終始した。すなわち、小泉政権が、自民党をぶっ壊し、政治および有権者の票の流動化、浮動化を強力に進めた。さらに、2005年の郵政解散で、徹底的に自民党組織を破壊し、自民党の支持層をも浮動化したもの、それを第2次安倍政権はさらに膨らませてかき集めようとしたのである。

だから、防衛に関しては右派であったが、経済政策はわかりやすかった。左翼的ともいえる「デフレがすべて悪い、カネを刷りまくればすべて解決する」という膨張的経済政策を徹底した。

この小泉・安倍政権の浮動票かき集め戦略は非常に効果的だった。郵政解散、デフレ脱却というワンフレーズ、ワンイシュー、1つの戦術で、自民党を支持する浮動層と、自民党が嫌いで、また政治が嫌い、あるいは関心のない、自民党の外の浮動層とを、2つを一緒にまとめて、1つのキャッチコピーで引き寄せることができたからだ。便利であり、強力であった。

さらに、小泉政権では、自民党、道路公団、郵政、第2次安倍政権では、財務省と日銀、あるいは消費税とデフレ、今回の参政党においては外国人、という自分たちの外側の敵を設定して、みんなで徹底的に叩いて、自らが何を作るかにはほとんど関心のない(政権に就こうが、超長期政権になろうが)という点も共通している。この戦法も2001年から継続しているのである。

組織と秩序をなくした日本政治は浮遊を続け社会崩壊が進む

小泉・安倍政権が、このような手法でバブル的に群衆化された浮遊票は、アベノミクスという宴が幻であり、人々の目が覚めると「103万円の壁を壊す」「手取りを増やす」、という徹底した小さいが実弾のこもったワンイシューに引き寄せられていった。しかし、国民民主党は、政権、永田町に近づきすぎたため、人々は熱が冷め、今度は、陰謀論的なフィクションに基づく革命ごっこに熱狂したのである。

すなわち、今回の参政党の躍進は、小泉政権によって作られた流れ(バブルの繰り返しという気流)がもたらしたものなのであり、自民党にとってみれば自業自得なのである。もはや自民党といえども、組織票では戦えない。ネットで浮動層をつかむしかない。しかし、それは世の中が変わったからではなく、小泉政権が自民党という組織と日本政治の秩序を破壊したからなのである。

だから、参政党はれいわ新選組がフェードアウトしてきたのと同様に消えていくかもしれない。しかし、組織と秩序をなくした日本政治は、このまま浮遊を続け、次の破壊者が登場し、その破壊者も新しいシステムを提供せずに、また消えていくだろう。だから、日本政治は終わりであり、政治というもの、そのものが社会から消え去り、日本社会の崩壊は進むのである(本編はここで終了です。この後は競馬好きの筆者が競馬論や週末のレース予想などをするコーナーです。あらかじめご了承ください)。

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