遠景科技集団の赤峰プロジェクトでは、風力発電と太陽光発電による電力で水を電気分解して水素を取り出し、それを空気中から分離した窒素と反応させてアンモニアを合成する。

今回稼働した第1期プラントには、総出力143万kW(キロワット)の風力・太陽光発電設備と容量680MWh(メガワット時)の蓄電システムが併設されている。その最大の特徴は、再生可能エネルギーの不安定な出力に対応し、外部の電力網に頼ることなくグリーン水素とグリーンアンモニアを安定生産する技術を確立したことだ。
オフグリッドを最初から実現
赤峰プロジェクトの技術担当者によれば、先行して稼働した年間生産能力2万トンのパイロットプラントは、すでに4カ月前から再生可能エネルギーの電力のみで運転を続けている。今回稼働した年間生産能力30万トンのメインプラントは、最初からオフグリッド(訳注:外部の電力網から切り離した状態)を実現した。

それを可能にしたのは複数の技術の効果的な組み合わせだ。水素とアンモニアの製造工程では、装置の負荷調整能力を高めて電力の変動に対応しやすくした。と同時に、併設する風力・太陽光発電設備では発電量の予測精度を高める取り組みを進めた。
遠景科技集団の関係者によれば、同社が赤峰プロジェクトのオフグリッド化にこだわった裏には2つの狙いがあるという。
1つ目の狙いは、風力・太陽光発電のコストが低い内モンゴル自治区の(地理的な)メリットを最大限に活かすこと。2つ目は、赤峰プロジェクトで検証・蓄積した独自技術をもとに、世界各地に展開可能なモデルケースを作ることだ。
(財新記者:趙煊)
※原文の配信は7月11日
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